行きたかったカメラ屋さんに着いた


「着いたー。緊張するな…」


「はっはっ…
でも、わかるよ、それ…
行こう」



入り口を入った


「うわー!」


「好きなように見な!」


「うん」


手頃な物から見て、どんどん高価なカメラの列に…
そして、目当てのカメラのコーナーに…
棚に飾ってある物、ガラスケースに飾ってある物
凄い存在感


「翔くん?翔くんが持ってるみたいなカメラあるよ」


「そりゃあるよ」


「へー、格好いいな…凄い…

…こっちのも格好いい…

…あー、やっぱ、どれもいい金額だね…


「画質がいいのと、性能がいいからね…

智、欲しいの?」


「欲しい。でも、もう少し、腕が上がってからね!先ずは、翔くんに貰ったカメラを使いこなさないと!
今日は、自分を高めるのに来たの。何年かかるかわからないけど、翔くんみたいなカメラマンになりたいから」


「嬉しい事言ってくれるね…」


「レンズも凄い。
スマホで見るより迫力あるな…すげ〜

これ、翔くんが持ってるやつと同じだ!
…げっ…こんなにすんの?」


「するんだよ…」


「…よーし!貯めるぞー!


…このケース凄い格好いい…へ〜、いろんなのある…


「頑丈に出来てるから、ちょっとぶつかったくらいじゃ、なんともないよ」



「いいな…格好いいな…
翔くんに貰ったカメラ、これに入るかな?」


「入るよ」


「いいな…買おうかな…無駄遣いじゃないよね」


「無駄遣いじゃないよ」


「…どうしよう…

(迷う事数分)

…よし!決めた!買う!」


「うん」


お会計を済まし車に戻った


「買っちゃった!」


「それにカメラ入れて持って行かないとな!」


「うん!
付き合ってくれてありがとう」


「いいえ!
次はどこ行く?中古のカメラ屋行く?ここから近いよ」


「どうしようかな…  近いなら行ってみようかな」


「じゃあ、次の信号右曲がるよ」




一通り見て思った

「これ手放すのって、どんな気持ちかな?

翔くんは僕にくれたカメラ、売ろうしてたんでしょ?」


「俺の場合は、新しいのを買っていく内に、使わなくなって売ろうと思った。欲しい人がいれば使って欲しいなってね…

でも、智が俺の所に来て、売らずに智にあげた。
毎日磨いてくれる。大切にしてくれてる。売らないで良かったよ…」


「大切な宝物だよ。僕はあのカメラは絶対売らない。
翔くんの思いが沢山詰まってる。僕の思いもこれから沢山詰まる。だから一生、僕の手元に置いて置く!」


「いい事言うねー」


「でしょ!

…もういい…帰ろう」


「うん。スーパー寄る?」


「うん。納豆あと1パックしかない」


「じゃあ、いつものスーパーでいいね」



野菜、魚、肉、お菓子、パン…カゴいっぱいになった