ベットが届いた

「凄い、寝心地いいよ!
あー、このまま、寝ちゃいそう…」


「・・・

寝るなら俺のベットだぞ

それは、あくまでも緊急用だからな」


「はーい。

…ヨイショ!」


ベットから降りて部屋を出た



「智、俺さ、ちょっと雑務というか、いろいろやっちゃうから、好きな事していいよ。出かけてもいいし」


「はーい。

何しようかな…散歩して来る!」


「写真撮るのか?」


「うん。後でチェックしてね。行って来まーす。

…そうだ、財布持って行かないと…

行って来まーす!」


「気を付けてな…」


「はーい」


ふっ、子どもだな…

さてと、メールしないと…


メールの送り先は、智のお母さん

智はスマホにロックをかけていない。
見てはいけないのは分かってる。分かってるけど、家に帰りたがらないから、せめて、様子だけでも知らせたくて、風呂に入ってる時に、こっそり連絡先を盗んだ。俺の所に来て直ぐの事だ…

今日は2回目のメール。1回目のメールは、一緒に風呂に入った日。風呂に入る前にメールをした

凄く心配していた。長野先生の所を辞めた事、知らなかった。智は、連絡してなかったんだ。お姉さんとはよく電話してたみたいだけど、最近はしてないみたい。だから、辞めた事と、俺の所に来た事をお知らせした。

今日は、智が撮った写真をまとめて、お母さんのパソコンに送った。ついでに、智の写真も。仕事をしている所をこっそり撮ったから。

返信には…

櫻井さん、どうもありがとうございます。
智の顔、久しぶりに見ました。元気そうで良かったです。出て行った時より、ちょっとだけ大人っぽくなりました。何もしてあげられないのが辛いです。せめて、服だけでも、送らせて下さい。


……どうか、智を宜しくお願い致します。

智の母より




優しいお母さんだ…
お父さんは、まだ認めてないんだな…
智の活躍がわかれば、認めてくれるかも…
そうなるように、俺がもっとちゃんとしないと…

さてと、智はどこ行ったかな…
何の写真撮ってるのかな…


3時間後


「ただいま〜」


やっと帰って来た


「おかえりー。どこ行ってたの?」


「川沿いをずーっと歩いてた。で、公園があったから、自動販売機で飲み物買って、休憩して、鳩がいたから、撮ってた。その後、絵描いてた。趣味なんだ!
手洗ってくるね。そしたら、撮った写真見てね…」


絵が趣味?…知らなかった



「…鳩の数、凄くない?」


「うん。おばちゃんがパン投げてたからね!」


「…」


「ダメ?」


「ダメじゃないよ。

…これ、いいじゃん!…これも…

…これは…ピンぼけ…

あとは、まあまあかな!でも、上手くなってるよ」


「ヨッシャー!」


「そうだ、絵も見せてよ」


「いいよ」

リュックからスケッチブックを出した


「はい📕 これだよ。いろいろ描いてあるけど…」


「どれどれ…」


スケッチブックを開いて1枚目から見た

…嘘だろう…すげ〜


「智…いつから描いてんの?」


「ずーっと。小学生の頃から…
よくキャラクターとか描いてた」


「俺、絵の事全然わかんねーけど、凄いと思う…」


「そう?ありがとう。久しぶりに描いたんだ!楽しかった。気分転換になったよ。

…ふふ、そんなに見る?」


「だって、上手いから…」


「んふ…

ご飯の準備するね」


櫻井さんは、いろんなページを見て、その度に、すげ〜って、言ってくれた。

嬉しい