朝食を済ませ、出かける準備をした。


「先生、行って来ます」


「気を付けてな。行ってらっしゃい」


櫻井さんに会うことは、先生に言っていない

言う必要ないし、休みなんだから、今僕は自由だ


電車に乗って、櫻井さんが指定した場所に向かった


そこは、幼稚園だった

どうしていいかわからず、門の前から中を覗いた

櫻井さんがいた!

「櫻井さん、大野智です」

大きい声で言った


「大野智君!中入っていいよ」


「はい」


子どもたちが遊んでる中をすり抜けて、櫻井さんの所に行った


「櫻井さん、逢ってくれてありがとうございます。」


「ううん。こっちこそ、連絡してくれてありがとうだよ。…見て!可愛いだろう?

今日は、ここの園長先生からの依頼で、遊んでる所を撮って欲しいっていう依頼だ。ホームページに載せるんだ。これが終わったら仕事はないから、ゆっくり話せるよ。

今だ!パシャパシャ パシャパシャ

今の最高の笑顔。はっはっ…」


櫻井さんは、楽しそうに撮ってる

子ども達に混ざって、遊びながら撮ってる

子ども達も楽しそうだ…

僕も、見てて楽しい


「はあ〜、面白れ〜。でも、疲れた〜。はっはっ

…このくらいでいいかな?ちょっと園長先生の所に行ってくる。ついてくる?」


「はい」


園長先生は、どの写真も気に入ってる様子だった



…櫻井さんって、どんな人だろう。知りたい…


「大野君、行こう。この近くファミレスがあるから行こうか」


「はい」



櫻井さんの車に乗せて貰った。

車の中で自己紹介をした


「…21か…若いね。可愛い顔して…
あ、ごめん。まだ、初々しいって事だからね。」


「はい」


「着いたよ。俺の自己紹介は、店で話すよ」


「はい」


大野智、可愛いじゃん。


「何にする?…俺は、日替わりランチ」


「…僕も、同じので」


ドリンクとスープを取りに行って、櫻井さんの自己紹介が始まった


櫻井翔 28歳
大学卒業後、カメラが好きで、大手写真館に就職。
家族写真、七五三、成人式、…偶に遺影写真
決まったポーズで撮っていた。
それがつまらなくなり、いろんな表現の写真が撮りたくて、就職して3年で辞め、フリーのカメラマンになった。

地域版のアプリに売り込みをして、小さな仕事をコツコツと。それがだんだん、評判が評判を呼び、ここまでになった。大きな仕事は、2年先まで入ってる。


「…長くなったけど、これが俺。」


「…凄い。…僕なんて…自分じゃ何もしてない…」


「…ねえ、大野君、大野君の事、もっと聞かせて?」


大学を辞めようと思ってから、今悩んでる事まで話した