北陸地方にお住まいの方々、被害に遭われた方々に、心より、お見舞い申し上げます。
夜も眠れず、不安な気持ちでいっぱいだったのではないでしょうか?
遠い所から見守る事しか出来ませんが、1日でも早く、いつも通りの生活が送れますように願います。



久しぶりに、姉ちゃんから電話がきた

「智、元気にしてる?ちゃんとご飯食べてる?」


「食べてるよ。先生が作ってくれるから…」


「そう。…智、偶には帰って来て…」


「…帰りたくても、帰れない…
父ちゃんに怒鳴られ、出て行けって言われて…

だから、一人前になるまでは、帰らないから」


「…そっか…

お金はどうしてるの?」


「先生から貰ってるよ。困るような金額じゃないから安心して。服も買ってるし、中古だけど、カメラも買ったし…」


「そっか…
もし困ったら、連絡してね。
私は智を応援してるからね。頑張るのよ」


「うん。ありがとう。じゃあね」


姉ちゃんの声を聞くと、泣きたくなる
いつも、僕の味方をしてくれる。
あの日だって、僕の事を一生懸命かばってくれた。
優しい姉ちゃん。


涙が引いて、先生のいるリビングに顔を出した


「先生、買い物があれは行きますけど…
先生、どうかしましたか?」


「仕事の依頼が来てな…それが急なんだよ。
今回は、僕1人で行って来るよ」


「えっ?どうしてですか?」


「海外なんだよ。智くん、パスポート持ってないだろう?」


「はい。ないです。明日、作りに行って来ます」


「間に合わないよ。…親友が倒れて、代わりにやってくれないかって。…スイスだ」


「スイス?」


「チケットが取れたら行くよ」


「わかりました。準備手伝います」


「頼むよ」


翌日。僕を抱いてから、出発した✈️



何しよう…

写真撮りに行こう!
動物園行こうかな!



中古で買ったカメラをもって、動物園に向かった


久しぶりに来たな…動物園…

何撮ろうとかな

おー、孔雀じゃん
あっ、開いてる

急いでカメラを出し、レンズを合わせた


その時


「そこじゃ、上手く撮れないよ」


えっ?誰?

立派なカメラを持ってる


「こっちからの方よく撮れるよ。」


パシャパシャ パシャパシャ


「見てみる?ほら…」


「ほんとだ…凄い…」


「俺、カメラマンをしてるんだ…
待って、名刺あげる。」


その人は、バックから、名刺入れを出した


「はい、どうぞ!」


「あ、ありがとうございます。」


「君もカメラマン?…じゃなさそうだね」


「…まだ、勉強中です。」


「誰かに付いてるの?」


「一応…」


「そう…名前聞かせて?」


「大野智です。」


「大野智君ね。覚えておく。気が向いたら連絡して。
じゃあね」


凄く格好人。
後姿を、ずっと見てた。