部屋に着いて、智をソファに座らせ、俺は、智の前に膝をついて、智の膝に手を当てた


「智…ごめんな…辛かったな…

…でも、よく頑張った…」


「ふふ…頑張ったでしょ!」


「本当は、朝、辛かったんだろう?」


「ふふ、今だから言うけど、…辛かった。
薬飲めば大丈夫かな〜って…

そんで、薬が切れて来たんだろうね…一気に具合が悪くなった…ふふ…ロケ弁も、二口食べて小瀧さんにあげちゃった…まさか、あんな熱出るとはね…」


「今は?辛くない?正直に言って!」


「少し頭が痛い…」


「そっか…薬飲んで寝ような…

…その前に、何か食べないと…」


「ううん…食べたくない…」


「一口だけでも…バナナあるよ。ゼリーも、ヨーグルトも…アイスもあるよ」


「じゃあ、ゼリーを少し…」


「うん…」


薬も飲んだ


寝室に行き、パジャマに着替えた


「仕事の心配しないで、ゆっくり寝て」


「うん。…おやすみなさい」


「おやすみ チュッ」


少しして、熱を測った

ピッ 37.6か…

手足は?…大丈夫、温かい


チュッ  寝室を出た


…智が心配…でも、腹減った

カップラーメンにお湯を入れた


食べ終わって、シャワーを浴びた

今日は、お酒は飲まない。当たり前だ…

智が苦しんでるのに…

寝室の冷蔵庫に、ゼリー飲料と、ポカリを入れた


熱は…ピッ 37.7   はあ…


変化に気づけるように、智にくっ付いた

昨日もそうしたな…でも、気づかなかった…

もう、気づける。安心しろ、智…

だから、手を握った。凄く温かい…ぎゅっと握った


これで大丈夫🤝 おやすみ



夜中、俺の手から手が離れた


ん…智?どうした?


眩しくないくらいに灯りを付けた


顔を見ると、汗をかいてる

身体も…

着替えさせないと…


「智、着替えようね…」


クローゼットから、パジャマ、パンツを出した


身体を拭きたいけど、朝拭けばいいか…
顔だけでも拭こう


「翔…ありがとう」


「ううん…」


枕も汗で濡れてる

カバーを外して、タオルを敷いた


「ポカリ少し飲もうね」


「うん


…あー、冷たくて美味しい…」


ペットボトル半分飲んだ


「さぁ、寝よう」


「うん」


そうだ、熱測んないと…ピッ 37.0 下がった…


また手を握った

智の寝息が俺を落ち着かせた


朝方、熱を測った ピッ 36.7 良かった〜

ぐっすり眠ってる

汗ばんでるおでこにキスをした




ん…なんだ?モソモソしてる…

目を開けた


智が起きようとしてた


「智、どうした?」


「喉乾いたから…何か飲みたくて…」


「うん…」

飲みかけのペットボトルを、蓋を外して渡した

「あー、美味しい…」


「…どう?具合は?」


「うん、大丈夫」


「朝方熱測ったら、下がってた。どれ?今は?
…ピッ 36.7  変わらないな。もう大丈夫かな…」


「ふふ、ありがとう

…翔、寝てないでしょ?」


「寝たよ。大丈夫」


「ふふ

…ねぇ、シャワー浴びたい…」


「…本当に、具合悪くない?」


「うん」


「いいよ。髪はちゃんと乾かすんだよ」


「ふふ、はい」



その間俺は、朝食の準備

昨日買って来たおかゆを温め、ヨーグルトにカットしたバナナを入れた