マルゾウ君と言えば 10年近く前、鳥取の保健所収容時代 私も 他の子の件で訪れた折に 会ったことあります。
ペキニーズですが、遺棄された経緯は分りません。
当時は、保護直後の薄汚れた状態で、自分の境遇と運命を嘆くこともせず、無邪気に 職員さんと散歩に出るところでした。
目にすると、気になるのは当然で、早く 良き家族と出会ってほしいと祈りながら そこを後にした覚えがあります。
当時は 犬房に何頭も犬が収容されていたように覚えています。
誰も引き取り手が無かったら どうなるのだろうかと心配するばかりで 無力なまま日が過ぎましたが、幸運なことに、素敵なご家族との出会いを果たして 今日に及びます。
悩んでいた皮膚の問題も 幸いにも解消し、今は 穏やかな余生を楽しむ毎日です。
この日は いつものフードを買いに一緒に来てくれたマルゾウくん。
相変わらず愛嬌たっぷりです。
老境に入って なお健やかに 長らえてくれますようにと願いながら お会計をさせていただきます。
食欲は旺盛で 衰えを知らないと聞き、とても満足しております。
新しいおやつにも興味津々。
いつ来ても 手入れが行き届いた姿に、ご家族が 大切にお世話されているのが分ります。
この飼い主さんの妹さんも また、隣県で、行き場の無い老犬(15才)を迎えて下さいました。
ご自分の愛犬も老境ですが、さらに高齢の子を引き取られ 一次は ちょっと心配しておりましたが、なんと、新たな子が加わった時のストレスを乗り越えて 今では 二頭の老愛犬が 一緒に並んで日向ぼっこをする風景が見られるそうです。
高齢者施設への入所により 愛犬と やむなく引き離された飼い主さんのご心情を想像するだけで胸が張り裂けそうです。
しかし、こうして手を差し伸べてくれる方が居て下さって 救われたのは 当の老犬だけではありません。
伝え聞いて 相談を受けながらも 力及ばなかった私の方こそ 大いに救われました。
マルゾウ君と同じように 幸せな老後を送れている 妹さんちの愛犬さんにも お土産を託けずに居られない店主です。
誰もが敬遠する老犬、そして保護犬に 愛の手を伸ばして下さる里親さんには 本当に頭が下がる思いです。
そういえば マルゾウ君飼い主さんの別のお身内も 野犬一家を引き取られ 大切な愛犬として可愛がっておられます。
マルゾウ君の飼い主さんと その妹さんなどは 狩野芳崖の描いた「悲母観音」を連想させます。
穏やかなお人柄の表れる風貌だけに留まらず、その慈悲深さからです。
犬の血統に真価を求める人もありますが、私の場合は、こういう 人間の本質に潜む高潔な血統に高い価値を感じてしまいます。
ようこそようこそ 大切な一頭を救い上げて下さる観音様に 手を合わせずに居られましょうや。
こういう人が もっともっと増えて 一頭でも 明日の保障の無い命を迎えて下されば 平和が近づいてくる気もしています。
自分の不遇な過去など とっくに忘れたのか、今では 我が道を行くマルゾウ君を見ると 身体が温もる感じがします。
そういえば 朝から 鼻水とくしゃみでしたが なんだか 症状が消えているから不思議です。
平日のドッグランは 静かなものです。
しかし お天気を有効に使おうと お時間の空いたムギちゃん&ハルちゃん飼い主さんが愛犬を連れて来られましたよ。
風薫る五月の空気を存分に受けて、天地いっぱいを楽しむワンちゃんたち。
幸せですねえ。
良い飼い主さんに恵まれた子は 本当にしあわせ。
みんなみんな どの子も 幸福な一生を授かりますように。








