はじめまして、けいです。41歳。チェーンスーパーの花売り場で、剪定とラッピングのパートをしています。切り花の茎を切り、束ね、包装紙とリボンで包みます。客には「おすすめの花束です」と笑顔で伝えることもあります。閉店前には、枯れかけた茎の廃棄(捨てる数)が口頭で確認される日があります。
ある夜、花売り場を閉めて片づけを終えたあとも、鼻の奥に温水の霧の匂いが残っていました。手袋を外すと、剪定ばさみを握った指関節だけがまだ仕事の時間を続けている気がします。
客の前では笑顔を作ります。でも、評価に残るのは、だいたい声のトーンと廃棄の少なさだけでした。立ちっぱなしで腰が重く、霧の水で指先が冷えます。20代の子が同じシフトでも平気そうなのに、私だけが帰りの電車で黙る夜がありました。
スタッフ用のグループLINEでは、副業の成果報告のスクショが流れてきます。スタンプで返してから、家に着くと声が小さくなる自分がいました。
でも今は、笑顔の回数だけで自分の価値を測るのをやめました。家に帰ってから、パソコンでブログや記事の「何人が読んだか」「どこで離れたか」といった数字(アクセスの記録)だけを見て、次を直す順番に変えています。
剪定のあとでも、文章の記録は少しずつ増えていく。座ったまま、内緒で第2の柱を育てています。
広告で「在宅ワーク」「AIで月10万」「未経験OK」も毎日見ます。でも、また立ちっぱなしと声かけが増える副業は続かないと分かっていて、手が出ません。他人の文章テンプレをそのまま使う方法も、「必ず稼げる」と言う案件紹介も、信用できませんでした。
あなたも、笑顔を作っているのに帰宅後は廃棄の茎のことばかり考えて、結局手が止まってしまう夜はありませんか。
それでも、このまま廃棄の数字だけを反芻する夜を続けるのは限界でした。ギャンブルみたいな保証には手を出さず、数字だけを見て判断する型を探しました。
ツールの画面で分かったのは、きれいな「今日のおすすめの花束」の見せ方だけを並べた記事は、最後まで読まれないことでした。
やけくそで書いた「閉店後も温水の霧だけが鼻に残る」という、ありのままの話だけ、同じ小売の花売り場で黙っていた人が、記事の最後まで読んでくれました。
能力が足りなかったのではなく、評価される場所(笑顔と廃棄)と、評価される場所(ネットの記録)が違っただけ、と気づきました。
今でも花売り場の仕事は続けています。今日辞めるつもりはありません。ただ、帰宅後に毎回つぶれる日が、減りました。
温水の霧を抱えたままでも、ブログの読者数や記事の記録は、少しずつ増えていく。それだけで、次の早朝シフトを迎えられるようになりました。
最後に:剪定の手を抱えたあなたへ
あなたが向いていないわけではありません。笑顔と廃棄だけで測られる仕組みに、置かれていただけです。
見ている場所を変えれば、夜は変わります。
