井上眼科(お茶の水)の若倉先生が、『眼球使用困難症』という症候群が相当数いるという提言をしている。原因は不明で、具体的な症状は、眼が開かない、眩しい、痛む、などだが、この症状が日常生活を困難にするほど強い人の事を『眼球使用困難症』と呼んでいるらしい。

私がまさしくそうで、眼瞼痙攣やレーシック後遺症患者が訴えている症状を似ているが、眼が使えないという点では『眼球使用困難症』だ。

ただし、一部疑問が残る。素晴らしい提言なのだが、激しい症状で、どんな検査をしても原因が分からない『眼球使用困難症』の患者が多くいることは眼科の世界では解っていた。先送りされていたか、あるいは心の病として扱われてきたか・・。

その原因が分からない理由の一つに、『いい加減な屈折検査』があるではないか。私は強くそう感じるのだ。屈折検査は以前も書いたが、非常にプアで、いい加減で、原始的な検査がいまだに続いている。検査機器も現代における検査機器なのか?と思わせる残念な仕様で、ほとんど意味をなしていない。また両眼視機能検査という、本来当たり前の一般的な検査が、眼科のみならず大手の眼鏡屋や町の眼鏡屋でも実施されていない。さらに実施したとしても、10人十色の結果が出るといういい加減さだ。これは一体何故なのか。

そもそも眼科学会は、ここに手を付けずに、儲かる白内障手術に走り続けている。また病院も強力にバックアップしている。結局利益と病院内での眼科医自らのの立場向上しか考えていないのだ。

つまり、『眼球使用困難症』は灯台もと暗しで、非常に単純かつ当たり前の症状なのかもしれないということだ。時間をかけて、これでもか、これでもかと、継続的にかつ、従来の見識からいったん離れても検査をし続けることで、単純な屈折異常があぶり出てくるかもしれないのだ。