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葬儀の担当になると、お通夜前、ご自宅のお部屋に幕を張りに伺います。
ある日も、壁と天井に装飾幕を張っていました。
お花がことのほか大好きだったという故人さま。
部屋には、たくさんの枕花が既に飾られておりました。
けれど。
ふと、お子さんが、小さな枝を枕元に置かれたのです。
庭に咲いていた紅色の花。
それは見事な紅梅でした。
生前も毎年この季節に見ていたであろう梅の花。
その仕草を見ていたら、胸がジンと熱くなり、思わず泣きそうになってしまいました。
余計な言葉は一切ない。
けど、万感の想いがこもった梅の花。
幕を飾り終わって外に出ると、白い雪が後から後から、まるで紅梅を包むかのように、降りやまず。。
寒さとは裏腹に、大切な人を想う熱い琴線に触れた、そんな時間でした。