自分が担当させていただいてる喪家の故人さまはもちろん、
上司や新人くんの担当させていただいてる喪家の故人さまも、
ご納棺の前後に、死化粧で伺うようにしています。
そんな時、故人さまが女性の場合、
ご高齢の方でも目元をハッキリさせるために、
マスカラを少し使うのです。
そうすると、ご遺族・ご親族の女性の方は、
ほとんどが必ずといっていいほど、かなり驚かれると同時に、
すごく喜ばれながら、枕元に集まってこられます。
ある日のこと。
天寿を越えたおばあちゃんへ、いつものように
マスカラで仕上げをさせていただいてた時。
すごく喜ばれる女性陣とその様子を、
少し離れた場所から見ているご主人さまが、
嬉しさを少し抑えたような声で
【お袋、そんなに綺麗になったら、
先に逝った親父が、あの世で迎えに来てくれても
お袋だ、って分からないんじゃないの】
って、言うものだから・・・
皆さん、泣き笑いになってしまって、
ご家族の皆さんの、そんな場面の端っこに
私も座らせていただきながら、
一緒にほのぼのとしてしまいました。
この世で最後のお別れの化粧には、
みんなの気持ちをグッと引き出す力が
宿っているのかもしれません。
日々この道をコツコツと私らしく精進していきたいと、
心から想ったヒトコマでした
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