最初に降り立ったブダペストの東駅
ブダペストを離れる日の朝、私の別れを惜しむ気持ちが
大粒の雨と重なった気がした。
ホテルからタクシーに乗り込み、目に映る光景を確認しながら
神妙な気持ちになっていた。
その時、左手にケレティ駅が目に入った。
ケレティとは東を意味する。
2008年に初めてこの駅に降り立った。
ウィーンから列車で3時間余りをかけての到着だった。
駅でハンガリー人の友人が迎えてくれる予定になっていたので、
私はホームに降り立つやいなや、人で込み合う中、
急いで彼女を探した。
お互いを10メートル程先に見つけた時には、自然と二人とも走り寄っていた。
ハグをして顔を見合わせると二人の目には大粒の涙が溢れていた。
私たちは再会を喜んだ。
手にしていたピンク色のチューリップ一輪を彼女は私に差し出した。
ありがとう。
まるで映画のワンシーンの様な感動的な再会の瞬間だったと、
後になって客観的に思った。
私の人生において、何度あんな感動的な再会を経験することになるのだろう。
これまでも何度か経験した。
簡単に会えない状況が会えた時に深い感謝と感動を覚えるのだ。
ブダペスト東駅がハンガリーとの最初の大切な出逢いの
場所という宝物になった。
