最初に「骨盤がズレる?」ことのイメージとして、
→の方向にズレる(歪む)ので、それを矯正して正しい位置に戻すというのが、多くの整骨院・整体院、なぜか一部の産婦人科・整形外科(日本臨床整形外科学会はどうしたの?)も主張・賛同されています。
骨盤矯正に興味がある一般の方も同様のイメージではないでしょうか?
しかしながら骨盤を構成する骨は、それぞれ強く結びついていて、手または機械で矯正する事は出来ません。
参考までに、骨盤の画像をご覧ください。
わずかに動くのが仙腸関節と恥骨結合(出産時)に数ミリ動くとされますが、位置関係が大きく変わる程には動きません。
ちなみに別で解説予定ですが「出産時にホルモン(リラキシン等)によって恥骨が開いてしまうので、産後骨盤矯正して戻さなければ開いたままになる。」というのは、出産後の子育てや疲労、不安を利用したセールストークです。
注意が必要なのは、まれに出産後に恥骨結合(図を参照)に痛みがでる「恥骨結合離開」や、なんらかの原因で骨盤輪(周囲)が緩んで痛み他の症状(尿漏れなど)がでる「骨盤輪不安定症(恥骨結合離開含む?)」があります。
これらは病院で医師による検査・診断により判明するもので、整骨院や整体院でやみくもに矯正すると、症状が悪化します。
実際に産後骨盤矯正後、本来自然経過で改善するものが、症状が悪化して1年以上経っても痛みが継続した例もあります。
それでは「医学的に骨盤がズレないのか?」といとズレます。その証拠が以下の画像になります。
見てお分かりの通り、骨盤が「骨折」すれば最初に掲載した骨盤の歪み図の→の方向にズレます(転位)。股関節や肩関節などでは、関節から骨が抜ける「脱臼」をして骨の位置がズレる事もあります。
実際のところ骨盤骨折をして、整骨院・整体院に来ることは不可能です。整形外科診療所(入院施設無)にも一人では行けないと思います。(動けないので)
本当に骨盤がズレたら→場合により救急車を呼んだ方がいいです。(骨盤内で大出血している可能性もあるので)