悪意のないこどもが
〝あのひとおサルさんににてるね〟
と言いました。
〝そんなこと言ってはいけない
失礼なことなんだよ〟
と大人が咎めました。
少し歳上のこどもが
こどもに向かって言いました。
〝君ってサルみたいだね〟
言ってはいけないはずのことを
自分が言われているのだと
理解したこどもは
とても悲しくなりました。
少し前には感じることのなかった
感情でした。
こうしてこどもは
自然な感覚をちゃんと失って
立派に虚実世界の概念を養い
人間として生きることが
できるようになりました。
ナチュラルな感覚を忘却した私たちは
意識的に想像したり
思い浮かべたり
わざわざ思い出すという作業をして
自分に還ろうとしてたりする。
Imagine