詩 あなたとわたしの夜 | サチコの文芸ブログ 詩、小説、エッセイ など
あなたとわたしの夜
さいきん連絡取れないね
いつも人のあとを追って
振り返ってみてと
のぞむけど
今夜のわたしはすこし違う
ふたりの過去はすぎさった
それぞれのあしたがやって来るけど
この災厄と
変貌する未来への過渡期の
時代に
手さぐりしながら生きているのは
おなじ
あなたのとなりに寄って
あなたの匂いをかぎたかった
あなたの唇にほほえみのしるしを見たかった
生きてゆくしるべが欲しかった
わがままなわたしとは訣別しよう
あなたが安らかに
誰かとときをともにしていても
それはわたしの喜びになる
あなたが夜露に濡れた花をたおるとき
わたしのことをおもいだして
ひとりの夜を過ごせば
夏の星が無数のあなたをつくる