今回の北海道全停電において、未だに泊原発が稼働していればブラックアウトは起きなかったと言う断定的な投稿が散見される。
結論から言うと発電可能な電気の量が多ければ、供給不足にならずブラックアウトは起きないというのは、電力系統の運用について全く知識の無い方が仰る事で有る。
今回の様な大型電源【苫東厚真火力発電所】が短時間に全基停止した場合、
いくら❓他に発電出来る電気の量【泊原発など】が沢山あっても
発電する量と消費する量のバランスが規定値内に収まって居ないと周波数低下を起こしブラックアウトは起きる。
そして、今回の様に大型電源が停止してしまうと他の火力発電所などの出力を急激に上げても需給バランスが間に合わない。
更に言うと泊原発は出力調整の出来ない定出力の発電所なので、負荷変動には対応出来ないのだ。
なので、発電所が停止して失った分の電気量と同じだけの量の消費電力を瞬時に切り離さなければならない。
言ってみれば、全道停電を防止する為に電力系統運用システムにおいて自動的に負荷遮断【地域を限定する計画停電の様なもの】して需給バランスを保つのだ。
今回、この自動遮断システムが不完全に終わった為に全道停電に至った事が徐々に明らかに成って来た。
電気の知識が無い方にも、分かりやすく言うと❓
少しの人手不足なら
やり繰りの調整は簡単だけど大勢の人手不足が生じるとその調整が大変に成る(笑)
それと同じ事だ(^。^)
今回は予想してなかった大勢の人手不足が生じてしまい、
その人手不足を埋める調整に失敗したので、
全く仕事が出来なくなってしまった様なものなのだ。
なので、
今回は
大型電源である苫東厚真火力発電所が全基停止して、
需給バランスを保つ為の自動遮断システムが期待通りに動作しなかったので
全道停電に至ったので有る。
北電の経営層も自動遮断システムが上手く機能しなかった事は新聞の記事を見る限り認識している。
そして、今回大型電源が停止した時の自動遮断の難しを露呈した。
更に、そもそも苫東厚真火力発電所が全停止する事は北電社長も想定してなかった事は新聞の記事から読み取れる。
しかし、実際には起きてしまった。
北電からの今回の全道停電したブラックアウトの解明と防止策発表が待たれる所だ。
今回、全道停電が起こり泊原発の外部電源が失われてしまった。
実は、全道停電によるブラックアウトの1番恐ろしいのは、泊原発の冷却機能を担う外部電源が失われる事で有る。
非常用ディーゼル発電機が起動した事で事なきを得てるが。
ここで、泊原発がフル稼働してた方が実は、
ブラックアウトの対策が難しく成ると言うパラドックスが起きる。
頭と感の良い人は分かったかも知れないが、
泊原発がフル稼働していて、その近くで今回の様な大地震が起きた時、
泊原発が全停止する事は十分考えられる。
そうすると❓
一瞬にして、
207万kWの電気が失われる。
ブラックアウトが起きない様にするには
失った分を瞬時に補うバックアップ電源ルートを確保しておかなければならない。
しかし、現状はもちろん
将来に渡っても確保は出来ないであろう。
唯一の手立ては、本州からバックアップ電源を送ってもらうしかない。
それが北本連系線で有る。
現状は60万kWの容量しかなく近年中に90万kWまでに増強する予定だが
大型電源で有る泊原発207万kWには到底覚束ない容量で有る。
大型電源は一箇所で大量に電気を作る事が出来て経済性に富んでいるが、
ブラックアウトの危険性を伴う諸刃の剣なので有る。
では❓
今度は、北本連系線を210万kWにまで増強すれば良いと考える方も出てくるであろう(笑)
しかし、それも諸刃の剣です。
北本連系線が故障するリスクも有るからです。
なので、
最終的にブラックアウトのリスクを分散させるには
やはり
詰まる所、
分散型電源しか無いのですね。
そして、それを太陽光発電や風力発電にすると❓
火力発電所や原子力発電所と違って燃料補給をする必要が有りませんので、
分散する事による燃料補給コストの効率性の悪化を招きません。
初期投資にはお金がかかりますが、
それは、新規電源を作る時はどの発電所でも同じ事ですね。