渋家に入ると、私は妙によそよそしい感触をうけた。
主に二つの派閥に別れていたと思う。一つは、Mを中心とする、心情左翼グループ。もう一つはHを中心とする、アングラ芸術系グループ。
心情的な部分で、一致していると思われていたから開催された企画。
動画は玉石混合。プログラム前半が心情左翼グループ、後半はアングラ芸術系グループ。
心情左翼グループの動画からはじまる。
ポエトリーリーディング、動画に音声でのポエムの朗読からはじまる。退屈でエゴイスティックな動画。ただ、擁護をすると、インディーズの短編動画は、受け手に解釈を強要をするという分かりにくさが付きまとう。インディーズの故は、解釈が強要されるが故に様々な解釈が産まれ、議論を呼び込む。ということが、有意義な点であろう。
Mさんは「紙に書いた詩をただ眺めるだけだと、無力感が付きまとう。だからこそ、声に出して他人に聴かせることにより、世界と繋がることができる」なんてことを語っていく。
難病故に左手だけでピアノ演奏をするピアニストの動画、等々進んでいき。そしてMさん。今回の主催者の動画がはじまる。
内容としては。ランドセルを背負ったり、メイド服でコスプレをした格好で、反原発を皇居前で最初は大人数で拡声器を持って叫び。そして少数になっていって、中盤、一人Mさんが歩きながら詩の朗読をして、最後ランドセルを背負った男女ふたりが叫んだり、女の子が普通になりたいなんて言いながら自傷行為をして、最後、反原発を語って終わるという動画だ。
反原発というのを象徴に戯れているという印象を受けた。つまりは、真面目に、例えばの話、与党議員にロビイングして反原発をお願いするということでもなく。自分たちの感情、衝動を、イデオロギーを真面目な感じで語ることを避けることで、自分達の子供性、純粋性を保つというのをこれから読み取った。一言で言えば見沢知廉的。
それが、この動画を通して感じられたことであった。