次世代ASSR機種を購入しました | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

次世代ASSR機種を購入しました。

 

ASSR(聴性定常反応)と言われるもので、ABRの代わりの他覚的聴力検査です。従来のものより短時間でこなせるすぐれた機種を購入しました。

 

パスメディカル SENTIERO

新生児ASSRの解説動画(ABRとの違い)

 

かなり専門的な内容なので、興味ある方は上記をリンクしてお読みください。ASSR、ABR、DPOAE、TG、SR、耳管機能検査、聴力検査などがこれ一台で検査できます。もっとも、当院で入れたのは、この中のASSR、TG、SRまでです。いろいろな検査はできるのですが、機能を入れると価格があがるので、おさえました。

 

何に使いたいかというと、目的は二つ。

 

1)乳児の聴力検査

ABRの代わりです。ABRとは違って周波数ごとに音が聞こえているかどうかが測定できるので、他覚的聴力検査機器としてすぐれています。かなり短時間で測定できるようになったので、おそらくABRよりもすぐれものです。ABRをとってもらうには、大学病院などに検査依頼をしなければならなかったのですが、その検査も数か月待ちだったりしますからね。それが自院でできるようになります。

 

2)大人の他覚的聴力検査

当院で一番困るのは、20歳になったときの聴力障害者の年金診断書です。他覚的聴力検査のデータをつけなければならないのです。これが当院で容易にできるようになります。また、心因性難聴などにも応用することができます。

 

普通の耳鼻科クリニックであれば、このような検査が必要なときには、大学病院に紹介すると思います。年に一人もこのような検査が必要なケースはいないからです。当院は、一応難聴専門にしているということもあり、設備投資しました。もとはまったくとれませんが、自院で検査を受けられるので、スクリーニング用には使えると思います。いい機種なので、大学病院などでは導入するところもあると思いますが、クリニックレベルでは全国でいくつ売れるか。