耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

3月31日をすぎると、大きく変わるものがあります。それを知らないでうっかりするとけっこうな損をします。

 

一つはワクチンです。

3月31日が接種期限のワクチンがあります。小児のMRワクチンや、二混ワクチンがそうかな。自治体から送られた問診票に期限が書いてあるので、それをご確認ください。期限をすぎると無料でうてなくなります。有料ではうてますが、数万円かかります。

 

4月1日からワクチンの仕入れ値があがることが発表されています。その上がり具合が半端いないのです。値段が3倍近くにあがっている。当院も自費でのワクチン接種を安くおさえてきましたが、こんなに値上げされたら、確実に赤字になります。当院での自費ワクチンの値段もあげるように動いています。

 

2つ目は、小児の無料医療券の終了です。東京の場合、高校生卒業(18歳)の3月31日まで、医療費が無料です。高校を卒業すると、4月1日から自己負担3割が発生します。それまでは医療費無料なのです。

 

保健医療の高い検査などをするのならば、3月31日までがお得なのです。4月1日になったとたんに、3割の自己負担が生じますから。

 

高校生も卒業して今は遊び歩いている人も多いと思います。3月31日まではお金がかからないので、必要な検査はそれまでにやっておいたほうがいいわけです。これは東京の場合ですね。

 

アレルギー検査をやりたいという人がけっこういます。高校を卒業した人は3月31日までに検査するとお得です。それすぎると、お金の負担があがります。駆け込み検査に受診してくる人もいるようです。一度はやっておきたい検査であるならば、3月中にということです。それ過ぎたら、いつ検査しても3割自己負担で同じです。

僕自身は、医学研究などばからしいと思い、ほとんどやってこなかった人間です。研究者になりたいわけではないので、研究することは時間の無駄かなとも思ってきました。

 

その一方で、一生懸命医学研究をしている医者もいます。大学に所属していると、研究を強制させられますからね。自分が大学教授をめざすというのならば、研究に邁進するのも悪いとは思いません。

 

ただ、医学研究というのは、極めて狭い分野のプロフェッショナルになるわけです。魚屋さんを例に出すならば、「アジについては、世界一おいしいものを見極められる」というような魚屋さんになれます。アジ以外の魚は興味ないし、学ぼうともしたくありません。そんな人に街の魚屋さんはできません。

 

医学に話をもどすと、一つの分野だけ突出した研究をした医師が、名医だと評されているのです。開業医にでもなれば、この病気のこと以外はわからないような専門バカが多いのです。その特定の病気で開業医にかかるのであれば、すぐれています。しかし、他の病気をなんでもわかるわけではなく、逆に他の病気のことはろくにしらないのです。アジ専門だから、他の魚のことなど何も興味がないということでしょう。アジ専門の魚屋に、どのマグロがおいしいでかなどと聞くのがナンセンスです。

 

研究者の視点は、なにか疑問があれば徹底的に調べたくなるのです。日々の診療でも疑問はでてきます。研究者の思考が身についていると、それを調べて結論をだしたくなります。そのような研究者は、臨床医としても伸びます。が、若い頃に研究に従事させられ、うんざりしている人は、逆に面倒だと嫌がるのです。研究を好きでやっていた医者はいいのですが、研究を嫌いなのに渋々やっていた医者は開業すると研究に嫌悪感を抱きすらします。目の前の患者の課題なんてどうでもいい。開業したとたんに無気力になり、金をもうけることしか考えなくなるのは困ったものです。

 

 

自分が開業したのは20年以上前。その頃には、耐性菌がかなり問題になっていました。最初の頃はメイアクトも出してはいたが、徐々にペニシリン比率をあげていきました。今では90%ペニシリンかな。

 

耐性菌にどう対応していくか。大学の先輩の研究が影響している。小児の耐性菌を研究していた先輩で、書かれた論文をかなり参考にしていた。けっこう先駆的な論文だったと思う。その先生の元で研修医もしていたが、抗生剤使用に関して直接指導を受けることはなかった。しかし、小児の感染症について詳しい先生だったので、少なからず影響を受けている。

 

ペニシリン耐性菌。これが一番の耳鼻科医の問題。この名前が悪くてかなり誤解されているところがある。ペニシリン耐性菌なんだから、ペニシリンを使っても効かないだろと思われてしまう。実際は違うのだが、知りたい人は勉強してください。

 

ペニシリン増量。これがペニシリン耐性菌に対しての最大の解決法。開業してから、高用量のペニシリンを使いまくった。パセトシンで言うならば、添付文書は、20~40mg/kgと書かれている。それを自分は小さい子供には、60mg/kgで処方しはじめた。開業初期の頃である。このような処方をすると何が起こるか。薬局から疑義照会の嵐である。

 

「処方量を間違えています」という疑義照会ばかりだった。間違えているのではなくて、あえてその量でだしています。それでも知らない薬局からは続々と問い合わせがきます。こんな処方は見たことないと言うからです。

 

とにかく面倒くさかったのですが、それが解決してしまいました。それはペニシリン耐性菌に対する抗生剤、クラバモックスというのが発売されたからです。僕はこのクラバモックスを出すようになり、問い合わせはなくなりました。実はこのクラバモックスという薬、パセトシン換算で90mg/kgと言われています。つまり僕がだしていた60/kgよりも1.5倍も多い量だったのです。これが正規の薬として発売され、添付文書通りに出すようになったので、疑義照会はなくなりました。

 

クラバモックスのほうがより効果的な薬なのです。しかし、いくつか欠点のある薬です。まず下痢しやすい。それが最大の欠点です。下痢するから出したくないという医師も、飲ませたくないという親もたくさんいます。しかし、耐性菌には効くのです。

 

近所の医師でうちを批判するかのように、「下痢をしなくて、飲みやすい薬を処方するようにしている」と言いまくっている医師がいました。まったく効かないのですが、たしかに飲みやすいです。それが第3世代のフロモックス、メイアクトです。患者が飲みやすい、効かない薬をだしまくっているわけです。「あそこの医師は患者のことをまったく考えず、まずい薬を頻繁に出す」と批判されました。僕から言えば、「あっちの医師は治らない抗生剤を出しまくっている」なんですけどね。治らないから患者はずっと通い続けて、いつも患者で溢れています。混雑しているからいい医師だと思われているわけです。それから年数がかなりたっていますが、あまり変わってはいませんね。治らない患者は当院に流れてきます。

 

病気を治すのが医師のはずなんですけど、治すのではなくたくさん通わせるのが、いい開業医だと考えているわけです。意図的ではないにせよ、結果的にはいつまでも通うわけです。

 

20年前は、メイアクトを30%ぐらいだしていました。子どもの場合には、ほぼ倍量投与でしたけど。今は、ほとんどだしませんね。経験を積みながら、「必要ない」という判断に至ったのです。

 

 

 

10年以上前の話になるけれど、咳がとまらないという患者がやってきた。原因がわからないので、近くの大学病院呼吸器科に紹介した。その結果が、

「呼気NOの数値が高いので、喘息と診断しました」

と一言だけ紹介状の返事に書いてあった。

 

このとき、「呼気NOって何?それで喘息の診断ができるの?」

 

ネットで検索してみると、喘息のバイオマーカーとして使われていることがわかった。大学病院などには入っていて、かなり使われているようだ。自分は耳鼻科医なので、そんな喘息診断機器があることをしらなかった。

 

当院に出入りしているメーカーの人に、そんな話をしていた。すると、

「今度小型のNO測定機器がでます。クリニック用です。」

「すぐ買います。」

足立区でも1~2番ぐらいに購入したと思う。消耗品コストが高すぎて、収益にはならないのだが、はっきりと診断できるのはメリットである。これにより、喘息診断が容易になった。咳が長引く人の中に、かなりの咳喘息患者がいることを理解できた。

 

実は、このNO機器の導入前から、咳のひどい人に喘息吸入薬を使っていた。咳がとまったら喘息、とまらなかったら喘息ではない。アバウトに診断していた。

 

吸入薬を使っても咳がとまらない人に、呼気NO検査を行った。すると、数値の高い人がかなりでてきた。喘息で間違いないのに、吸入薬で咳がよくならない。このとき、「薬の量が少ないのが原因ではないか」という結論にいたり、吸入薬を高用量で使うようになった。その結果、ほとんどの人の咳がとまるようになってきた。それ以来、咳をとめるのは容易になり、喘息の治療にも自信をもてるようになった。

 

咳がとまらないと喘息吸入薬を処方する人は毎日10人以上は受診してくる。当院受診前の治療をみてみると、ほとんど咳止めがだされ、また抗生剤も内服させられている。喘息に抗生剤がきくわけないのだが、多くの医者は細菌感染だと思って、抗生剤をだしているようだ。

 

自分が喘息治療にのりだしてきた経過かな。

 

2020年にコロナがはじまり、息をふきかける呼気NO検査はやめてしまった。感染リスクが高いからだ。それ以来、呼気NOなど調べなくても、直感で喘息かどうかの判断をするようになった。その多くはあたっていると思う。

 

呼気NO導入で喘息を診断できるようになったが、診断ができるようになると、検査そのものは不要になってしまった。コロナ以降はまったく使っていない。

 

 

薬剤師の国家試験合格率は学校によってかなり違います。50%を切っている大学もけっこうあるのです。詳しくは上記サイトをご確認ください。

 

102番めの姫路獨協大学を見てください。

新卒:13人受験、3人合格

既卒:99人受験、22人合格

トータルの合格率は、22.3%

 

新卒が13人しか受験していないのです。しかも、3人しか受かっていない。既卒がやたらと多い。

 

合格しそうにない人を卒業を遅らせて、受験させないのです。そして翌年受験させる。合格率をよくするためのテクニックです。しかし、それでも合格率は20%ちょっとです。

 

90%ぐらい合格する薬学部もあれば、ほとんど受からないところもある。薬学部の格差はかなりひどそうです。

 

薬学部って、6年制に移行するとき、全国の薬学部定員が2倍になったそうです。乱立されたのです。その結果、優秀な人はいい大学に行き、底辺大学にはまともな学生がほとんど入ってこなくなったという受験生シフトが起こったのでしょう。合格率20%の大学には行きたくないと思いますよね。