滑稽なほど慌てて出たLINE電話からは
間違いなんかじゃない、
涼太の声が聞こえてくる
『ごめん、LINEいっぱいくれてたのに返せなくて。
訳あって、今病院に居るけど大丈夫だから」』
落ち着いたその声に、
安堵と拭えぬ心配とで感情がぐちゃぐちゃになりながら、
どういう状況なのかを聞いた。
やはりあの玉突き事故のバスに乗っていた
バスが横転した時には寝ていて、衝撃で目が覚めたものの、
何の防御も抵抗も出来なかったから
頭を打ちつけてそのまま脳震とうを起こしてしまったこと
夜中に意識を取り戻して、異常がないか先生に診てもらっていたこと
右半身に打撲の痛みが残っていること
明日には退院出来ること、
ただし、スポーツや激しい運動はまだNG
普通の生活をする程度なら問題ないとのこと、
飛行機に乗ることも大丈夫でしょうと言われたこと、
それらを把握する。
「りょうた、病院どこ?教えて!! 迎えにいく!」
〝居ても立っても居られない〟
とは正にこのことだ!!!