老舗のお店の赤い絨毯の階段を上がりテーブルへと案内されると名物の茶碗蒸しと蒸し寿司をいただいた。



朝は軽くしか食べてなかったから、美味しさが沁みる。


此処はいつきても変わらずに美味しい。


涼太も美味しいってパクパク頬張ってる。




お昼には早いけど、この時間を過ぎると混みだして列に並ぶことになるから空いてるこの時間に来るのが1番いい。





次はグラバー園へ。



グラバー園はインバウンドの影響か外国人の観光客が多くて本当に異国のよう



『長崎って初めて来たんですけど、景色が美しい所ですね。



......ここに原爆が落とされて焼け野原になったんですよね..........



…………皆んな........頑張ったんですね。」





って涼太は物思いにふけってる。





「確かに、今の街並みからは想像もつかないよね。


でも、町の中に点々と今も名残を残してるんだよ。」



そう言うと



『そこ見たいです!』


とリクエストが追加された。





ま、明日も休みだし多少予定をオーバーしてもいっか。






港に停泊してる大型客船を眺めてると突風が吹いて


「あっ!」


私が声を上げたその瞬間


飛ばされかけた帽子をスッとキャッチして


『はい』


と被せてくれた...



「ありがとう」


とお礼を言うと、




ぎゅっと私の手を握り



『なんか危なっかしいからね、はぐれてもいけないし』




そう言って人混みを歩きはじめた