涼太の家に荷物を運び込み
「じゃあ私はこれで」
と扉に向かおうとすると
『コーヒーでもどうですか?
俺、淹れるんで......
あ、この後何かあるとかならあれですけど、今日のお礼もできてないし』
真面目で律儀。
今どき珍しい。
きっとこれで帰ったら、何かお礼しなきゃとか考えてしまうんだろうなあ….....
「じゃあ、いただこうかなコーヒー」
『その辺座って待っててください』
そう言って粉をセットし始める涼太、
もう一つは....
急須とお茶の葉
「りょうたはお茶?」
不思議に思って聞いてみる。
『今、お茶に嵌ってるんですよ、美味しく淹れるやり方を探ってて』
「なんか意外〜!美味しいお茶も飲んでみたい」
『お茶にしますか?』
既に落としはじめていた珈琲
「ううん、コーヒーでいいよ。
ねぇ美味しいお茶の入れ方教えてくれる?」
コーヒーが落ちるまでの間、涼太のお茶講座が行われた。
「ご馳走様でした。
じゃ、また明日、会社でね。
お邪魔しました」
『今日は本当にありがとうございました』
「ま、こっちのお母さんだと思って頼ってね」
『お母さんって、随分若いお母さんですね」
と笑う
「じゃあお姉さん? にしては歳が離れ過ぎだけどね」
『歳の差、感じないんですけどねえ』
「ちょっと〜、それってどういうこと〜💢」
『ほら、そういうとこ』
ってまた笑ってる。
というか笑われてる??
時々こうやって調子を狂わせられてしまう...
バカしにてるとかとは違う、、
言葉使いもきちんとしてるのに、、
でも涼太の方が精神年齢が上で見守られてる感じ..??
ちょっと不思議な感覚。