和『どうする?何から片づける?』
「う、うん。じゃぁこれを戸棚にしまってくれる?」
黙々と片づけたから思ってたより早く片づいてしまった。
「コーヒーでも飲む?」
和『いつから決めてたの?引っ越し。』
「ひと月半くらい前かな」
和『なんで言ってくんなかったの?』
「言うと悲しくなるから」
和『悲しくなるんだったらしなきゃいいのに。』
「限界かなって思ったんだもん」
和『限界? 何の?』
「姉弟ごっこの」
和『それが家を出た理由・・・?』
「うん」
和『いつから?』
「今年になってからだから、半年以上前になるかな。
大晦日の晩に2人で紅白見て、行く年くる年を見て深夜の番組見ながら気づいたらこたつでそのまま寝ちゃったことがあったでしょ。
今だから言うけど
あの時目が覚めたら和はグッスリ寝てて、その寝顔見ながら髪に触れたら急にドキドキしてきて
ちょっとだけだからって言い訳して頬にキスしちゃったの」
意外な話に驚いた。
ちっともそんな素振り見せないで気持ちの変化になんて気づかなかった
和『目を覚ませばよかった。勿体ないことしたな』(笑)
「和、好きよ。
だからその・・これからも側にいてくれる?」
和『もちろん。
姉貴が俺のこと男として見てくれる日がくるとは思っても見なかったよ。
望んでみるもんだね。』
にっこり笑った和が私の手をとり腕の中に引き寄せる
和の腕の中は心地がいい。
和の匂いがする。
背中に手をまわしギュッとした
和『姉貴・・紗、今すっげー、あなたを抱きたい』
名前で呼ばれ少し気恥ずかしくて、嬉しい。
照れてる私に和がキスをする。
ますます頬が熱くなって更に恥ずかしくなる
どうしたの? イヤ?
そんな私を見て和が気遣う。
首を横に振る
「名前・・ 嬉しい。」
紗・・紗・・
深くキスしながら何度も名前を読んでくれる
和に触れられるどこもかしこも気持ちいい
愛されるって
大切にされるって
幸せ過ぎて涙が出るね。
和の寝顔にキスをする。
パチっと目が開いて慌てる
もう1回する?
いたずらな顔で和が微笑んだ。
Fin。