居酒屋を出て
3人で大野さん宅へ移動してきた。
なんで俺まで!?
って思うんだけど、
もしも隠し撮りされたりした時に2人より3人のほうがヤバくないでしょ!
ってのが大野さんの見解らしい。
そんな経緯でまさかの!初めての大野さん宅訪問になった。
いくらか緊張が解けた大野さんの彼女のチカちゃんも初めての訪問だったらしい。
2人して
゛へぇ~大野さんちってこんなかんじなんだね゛
ってぐるりと見回した。
『まぁまぁいいから飲もうよ! 仕切りなおしだっ!!』
って大野さんがグラスを持ったまま座りなさいと促す。
「はいはい、付き合いますよ」
買い込んできたアルコールとつまみを広げて3人で乾杯をした。
いつしかそのまま眠ってしまったみたいで
目覚めると上着が体にかけられてた
まだ夜明け前
外は薄暗い。
大野さんはソファーで寝てる。
キッチンで人の気配がして覗きに行くとチカちゃんがいた。
チ「ごめん、起こしちゃったかな」
二「何してんの?」
チ「眠れなかったから、朝ごはんでもつくろうかと思って・・・
でも、あんなに飲んだら食べれないね。
ん? てか2人とも食べないんだったね朝ごはん。
」
二「食べる時もあるんだけど、ほぼ食べないね」
チ「せっかく炊いたのに勿体ないな・・・おにぎりにしちゃおうかな」
残念そうに言うから
おにぎり作るの手伝おうか?
って口をついて出てしまった。
チ「ホントはちゃんと朝ごはん食べたほうがいいんだよ。」
って言いながらご飯を握る彼女。
二「ねぇ、なんで大野さんがいいの?」
突然の質問にえっ?って困惑してる
一緒にいると安心感あるし癒やされるから
って照れくさそうに言う。
二「ねぇ今度は俺んちに来てご飯作ってよ」
驚いた彼女に向かって続ける
二「あなたの作ったの食べたい!ね!いいでしょ!
大野さんには黙ってたらわからないよ。内緒で!ね!」
わずかな沈黙の後、
ニノちゃんにご飯作ってあげるなんて夢みたいな話だけど、その時は智クンと一緒におじゃまさせてもらうわ
ってにこっと笑ってかわされた。
二「俺のファンってことは俺のこと好きなんでしょ!
だったら大野さんいなくてもいいじゃん」
二「智クンに出会う前の私だったら天にも登るような気持ちで゛行く゛って言ったかもしれないけど、今はそうじゃないから。」
キッパリと言われた。
チ「智クンとずっと一緒ってわけにはいかないことは充分わかってる。
その時が来たら身を引く覚悟はちゃんと出来てるから
どんなに好きになっても本気になってもいつか終わらせなきゃいけないってわかってるから、、だから心配しないで」
俺が確かめたかったこと彼女はわかってた。
おにぎりを作り終わると上着を羽織りバッグを持ち
二「邪魔して悪かったね。後は大野さんとごゆっくり」
と彼女に挨拶をした。
ちょっと待ってと言って
彼女が包みを持ってきた。
チ「はい。ニノちゃんが手伝ってくれたおにぎり。
お昼にでも食べて」
ありがとうと言って受け取ると
「こちらこそありがとう。」
そう言ってにっこり微笑んで見送ってくれた。
ミーハーな軽い気持ちの人じゃなくて良かった。
大野さんのデレデレな顔を思い出して
゛良かったね!大野さん゛
心の中で呟いた。