オフに遠くまで釣りに来たのは何年ぶりだろ?
たまたま釣り番組で見たこの場所に1度来てみたかったんだよね。
まさか着いて早々にファンに見つかるとは思ってなかったけど
でもいい人で良かった。
知らない場所だけに何かと助かった。
ここは実家で既にご両親はいないこと、普段はここことは違う県に住んでいること
そして他界した旦那さんとの間に成人したお嬢さんがいること
同じかチョイ上かと思ってたら意外にも9つも歳上だったこと
これらが会話の中で得た彼女の情報だった。
ニノが好きだと言う彼女が自然に接してくれるから俺もついリラックスしちゃって
マズイかなぁ?と思いつつも彼女の家にお邪魔したままだ。
ホントはここから少し行った所に宿を取ってたんだけど
なんか移動すんのもめんどくせーし、
ウロウロしてバレて騒ぎになってもやだし
ここに泊めてもらおーかな?
なんて冗談抜きで考えちゃってる。
でもさすがに言えないよね、ここに泊めてなんて。
でも彼女優しそうだから大丈夫かな?
言ってみようか?
と思ってると観光案内のパンフ渡されちゃった。
やっぱムリかな・・・
考えてたら眠たくなってきて気づいたらそのまま寝ちゃってた。
目が覚めたら布団に居るし、あれ?ここどこ?
一瞬、自分のいる場所が把握できなかった。
テーブルに、
「起こすの悪くて声かけませんでした。私も寝るので用があったら遠慮なく起こしてください。あと飲み物とか冷蔵庫のもの自由にどうぞ」
とメモがあった。
あれ?彼女はどこだ?
部屋を見回すと隣の部屋の襖が半分開いたままで覗いてみるとそこで彼女は寝てた。
彼女の部屋にそっと忍び入る。
お風呂入ってメイク落としたのかな、
彼女からは石鹸かな?甘い匂いがして、スッピンの顔は更に幼く見える。
ホントに9つも上なの? 信じらんねーな。
女手ひとつで娘さん育てて、ご両親も亡くしていろんなことあるけど嵐に元気もらって頑張れてるんだって、
自分だけじゃなくてみんないろんなもの抱えながら嵐に元気もらってるんだって話してくれた。
ファンの声って直接聞くことなんてなかなかないからちょっと感慨深かった。
ニノのことが大好きなんだってさ、
ちょっとは俺に気を使ってくれてもいいのにね。
それがなんか癪でニノのどこが好きなの?って根ほり葉ほり聞いてやった。
ここに居るのが俺じゃなくニノでもこの人こんなテンションなのかな?
違うよな。
幼く見える寝顔見ながらブツブツ考えてると
「・・ん、ぅ~ん」
と言って寝返りを打った。
一瞬起きたのかと思ってビビった。
な、なんか今のたまんねーな。
ちょっとくらいならいっか・・・な?
彼女の手を握ってみたけど大丈夫起きない、寝てる。
イケるか?
頬に口づけてみた。
大丈夫。
今度は唇に口づけた。
大丈夫。
でもさすがにコレ以上はムリだ
『シャワー借りるよ~』
寝ている彼女に向かって小声で言うと欲情する気持ちを抑えて浴場に向かった。