なんだかんだで、数匹ゲット出来た。
そのまま、うちへ持ち帰りさばくことに・・・
と言っても私は魚をおろしたことがないので大野くんにさばいてもらった。
なんか凄い贅沢。
田舎の古い住宅はダイニングキッチンこそ洋間だけど
それ以外の部屋は全部畳の和室で
自然と大きなテレビが置かれている居間に落ち着いてしまう。
父が買い置きしていた地元の焼酎と他にも地元特産の野菜で作った和え物や名物の品とともに新鮮な刺身をテーブルに並べちょっと早い晩酌が始まった。
釣りのことになるととめどなくなる大野くんの話に相槌を打ちながら少年のような表情の横顔に見とれていた。
他にはお互いの小さい頃の話をしたり、あとニノのどこが好きなの?ってニノちゃんについての質問が容赦なかった。
あんまり聞くもんだから大宮のイチャつきぶりにヤキモチやくことがあるんだってことまで話してしまった。
そして話をしながらいつしか大野くんの魅力に取り憑かれてる私がいた。
「今日泊まるとこまだ決めてないんだよね? この観光案内のパンフに旅館とか色々載ってるから見て決めたら?」
そう言って観光案内を渡すと私は洗いものを始めた。
片付けが終わり居間に行くと智くんは観光案内を枕にテーブルに突っ伏して寝ちゃってた。
噂に聞くこの人のほんわかした雰囲気に「大野くん」と呼ぶのはよそよそしく感じて
智くんって呼んでもいい?って聞いたら何でも好きにどうぞって言われた。
智くん疲れてんだろうな・・けっこう飲んだし当分起きないな起こしてもかわいそうだしね
部屋の空いたスペースに布団を敷いてテーブルに突っ伏した智くんに声をかける
お布団敷いたからお布団で寝なよ。 首も体も痛くなっちゃうよ~。
容易に動かない智くんを引っ張りどうにかこうにか布団まで動かした。
おやすみと言うとおやすみとごにょごにょ返してきたから一瞬起きたのかとびっくりした。