どれくらい時間が経ったんだろう?
私は相変わらず俯いたまま泣いていた。
ぼぅーーーとした頭に
『☆子ー! ☆子いるかー?』
って声が遠くに聞こえる。
ゆっくりと顔を上げて辺りを見ると
智くんが走り寄ってくる。
『いたーー!良かった無事で』
智くんがへたり込んで続ける
『なによ、どうした?何があったの?』
「何が?って智くんの方こそどうしたの?」
『和から電話かかってきたんだよ。
☆子が大変だから直ぐに来てくれって。
わけわかんなくて和にいろいろ言ったんだけど、とにかく直ぐに来てって絶対ですよ!☆子のこと頼みますって言って切りやがってさ、
お前の携帯鳴らしても繋がんねーし、
もう、めちゃくちゃ飛ばして来たんだからな』
「飛ばしてってあの源チャ(リ)を?」
『おっまえなぁ~、
おまわりに捕まったらやっべーな!ってギリギリのとこで飛ばしてたんだぞ!!!あーーー疲れたぁ』
「ごめん。 そういえば携帯マナーにしたままだった」
『なんなんだよ、もぅ~』
呆れた智くんの肩から力が抜けてくのがわかる。
「和くんが連絡したんだね・・・」
『和となんかあったか?』
「・・ふられた」
『へ?ふられた・・の?』
「うん。私といてもつまんないんだって。
楽しくないから帰るって・・終わりにしようって・・・
置いてかれちゃった」
『で?☆子はそれでいいの?
和を追っかけるならまだ間に合うぞ!』
首を横に振る
『本当にいいんだな!後悔しても知んないぞ。』
「うん。」
『ひっでー顔だなぁ!』
そう言って涙を拭ってくれる智くんの手は言ってる言葉とはうらはらですごく優しい。
「智くんの言った通りだったね」
『ん?』
「和くんとはムリだったんだよ。私じゃ釣り合わないし付き合えたことの方が不思議だったんだよね」
『それは違うと思うぞ。和は和なりに☆子のこと凄く大切にしてたと思うよ』
「そっかなぁ」
『今も大切にしてると思うけど?
追っかけないのは自信がないから?』
「違うの。あんなに大好きだったのに、私も大切にしたかったのになんかモヤモヤしてて・・・・」
『モヤモヤってなによ?』
「よくわかんない」
『じゃ、ゆっくり考えればいいんじゃない?そのうちハッキリわかるようになるよ』
「私、智くんのこと好きなのかも」
小声でボソボソ言った
『なんか言ったか?』
「私、智くんのこと好きなのかも」
今度は少しだけ大きな声で言った
「和くんにね、俺のこと好きかって聞かれて好きって言ったら、
じゃぁ智くんよりも好きか?って聞かれて
・・答えられなかったの」
『・・・・』
「こ、困るよね、こんな話。でも私、智くんのことが・・」
私の言葉を遮って智くんがギュウっと抱きしめてきた
『好きだ。
俺ずっと前から好きだったよ☆子が。
気づいたのは最近だけどな』
そう言って私の顔を覗き込む智くんの顔はいつも以上にタレ目だ。
「好き」
今度は間近にある智くんの目を見て言った
『俺も好きだよ』
智くんの顔が更に近づいて2度目のキスをした。
帰りは智くんの源チャに2ケツして超安全運転で家まで帰った。