学校の休み時間に和くんが
 
 
『今日は星がキレイに見えそうだよ。前に話してたあそこまで行ってみない?』
 
って誘ってきた。
 
 
「いいよ。でもどうやって行くの?」
 
 
『チャリに2ケツして行こうよ』
 
 
「それって和くんがこぐんだよね?大丈夫?」
 
 
『大丈夫だよ。それとも☆子が前に乗る?』
 
 
イタズラな顔で和くんが言う。
 
 
「そんなのムリ。一緒に自転車ごと倒れてもいいならいいよ」
 
そう言い返すとガハハって和くんが笑った。
 
 
 
 
学校から帰って、私服に着替ると
 
夕日が落ち始める頃を見計らって2ケツした私たちは海へと出発した。
 
 
 
 
夕暮れに向かって和くんが自転車を漕いでく。
 
 
車で行けばさほど遠くない海岸でも
 
自転車に2ケツして風に向かって進めばかなり遠くに感じる。
 
 
華奢な体つきしてても重たい私を乗せて1時間半チャリを漕いでる和くんの背中はやっぱり男の子だ。
 
 
到着した頃にはすっかり日も暮れてて
 
週末とあって花火やバーベキューをする人達が浜辺で騒いでる。
 
 
 
 
私達は海岸べりにあるコンクリートに腰掛けた。
 
 
空を見上げると
無数に輝く星が迫ってくるようで無言で眺めてた。