震える☆子が俺を見てしがみついてきた
 
 
小さい頃からそうだ。
 
 
 
雷とか台風とか停電とか怖がった。
 
 
その度俺は
 
『俺がついてるから大丈夫!絶対に大丈夫だよ!』
 
って小さいながらに守らなきゃって思ってた。
 
 
☆子を守る役目は卒業したはずなのにな、考えるよりも体がとっさに動いてた。
 
 
ひとりで震えてる☆子を見てやっぱり来て良かったと思った。
 
 
揺れが治まっても俺にしがみついたままの☆子の肩に手をかけ顔を覗き込む。
 
 
『どうした?もう大丈夫だぞ』
 
 
涙が滲んだその目が俺を見る。
 
 
 
胸を強く掴まれた衝動に駆られ☆子の唇にそっと触れた。
 
 
 
もう頭の中は空っぽだった。
 
 
ゆっくりとまた唇に触れる
 
2度・・3度・・・繰り返し触れる。
 
 
背中に回された手に力がこもる。
 
 
どちらから求めるともなく何度も唇が重なる
 
 
息が苦しくなるくらい愛おしく求めあった。
 
 
 
次第に空っぽだった頭がじんわりと覚醒する。
 
 
 
和が頭の中をよぎった
 
 
 
 
俺は何やってんだ・・・・
 
 
 
 
『ごめん、忘れろ。
気が動転してたんだよ、俺もお前も。』