父も母も出掛け、
お兄ちゃんもバイトに行ってしまった午後
部屋でひとり過ごしていると小さな揺れが来た
次第に立っていられなくなりガタガタと棚の中が暴れる音を聞きながら揺れが収まるのを待った。
今の大きかった・・また来るのかな?
5年前にあった大きな地震を思い出し不安になる
床に落ちた本を見つめたまま動けずにいたら
『☆子大丈夫か!!』
って凄い勢いで智くんが入ってきた。
大丈夫・・そう言い終わらないうちにまた揺れが来た
小さく丸まった私を守るように智くんの体が覆い被さる。
揺れは直ぐに止んだ。
『治まったみたいだぞ』
そう言って智くんが離れた。
「怖かった」
泣きながら智くんに抱きついた
智くんは背中をさすりながら
『大丈夫・・もう大丈夫だよ』
優しく励ましてくれる。
久しぶりに会ったのに変わらず優しい智くんに胸が締めつけられ智くんをギュウと抱きしめた。
『どうした?もう大丈夫だぞ』
そう言って肩に両手をかけ私の顔を覗きこんだ。
(地震のワードに嫌な思いをされたかたがいたらすみません)