春になり
 
お兄ちゃんは大学へ
 
智くんは消防士の専門学校へ
 
櫻井センパイは医大へ
 
と進んだ。
 
 
 
相葉くんはハニーちゃんと同じクラスになれたと大喜びだった
 
 
私は和くんと変わらず日々を過ごしてる
 
ただ下級生が入ってきたことでますます和くんを取り巻く女の子が増えてしまった・・・。
 
 
 
 
 
夏になると
 
お兄ちゃんはバイトに張り切って行くようになった
バイト先に超カワイイ子がいて近頃イイ感じなんだって。
 
 
櫻井センパイは忙しいらしく卒業以来会う機会もないまま時間が過ぎて行った。
 
 
 
ある日和くんとfastfoodにいたら窓の向こうに智くんの姿を見つけた。
 
 
智くんも前みたいにうちに遊びに来ることも減ってしまってほとんど会うことがなくなっていた。
 
 
 
 
窓の向こうを歩く智くんはあの日のようにマロン(犬)を連れて・・・・・
 
ではなく女の人と一緒だった。
 
 
 
 
 
智くんが中校生の頃1度だけ家の前で女の子と一緒にいたのを見かけたことがあったけど、まだ小学生だった私には別世界の光景でしかなかった。
 
今にして思えばあれは智くんの最初の彼女だったのかもしれない。
 
 
 
今は腕を絡めて隣に寄り添う見知らぬ女(ひと)と歩く智くんがる。
 
 
私は見えなくなるまで2人の姿を眺めていた。
 
 
 
和くんが『どうかしたの?』って聞いてきた。
 
上の空で生返事をしていたらしい。
 
 
「あ、なんでもないのごめんね。週末だよね?どこに行こうか?」
 
慌てて返事をした。
 
 
 
頭の中をさっきの光景が横切り胸の奥がチクンとなった。