新井素子著

「星へ行く船」等、コバルトシリーズの時から好きな作家です


斬新な文体は相変わらずで、私やっぱりこの人の文章好きだわぁ揺れるハート



澪湖とやまとばちゃんの絆

澪湖と母陽湖の確執

陽湖のやまとばちゃんへの感情



母・陽湖の気持ちが伝わってきたなぁ

なんか、母として辛いなぁたらーっ(汗)



ラストは、「もいちどあなたにあいたいな」でしたるんるん




澪湖の同級生、オタクの木塚くん

彼の活躍は良かった

彼のお陰で、「オタク」って言う人種が少し分かったような気がしました

「オタク」万歳exclamation ×2
湊かなえ著


ストーリ
大学一年生の秋、杉下希美は運命的な出会いをする。
台風による床上浸水によって、同じアパートの安藤望・西崎真人と親しくなったのだ。
努力家の安藤と、小説家志望の西崎。それぞれに屈折とトラウマ、そして夢を抱く三人はやがてある計画に手を染めた。
すべては「N」のために──。
タワーマンションで起きた悲劇的な殺人事件。そして、その真実をモノローグ形式で抒情的に解き明かす、著者渾身の連作長編。『告白』『少女』『贖罪』に続く、新たなるステージ。
ー東京創元社ー


サブタイトルーすべてはNのために
        みんな一番大切な人のことだけを考えた
        一番大切な人が一番傷つかない方法を考えた


Nは誰か?
希美から望、西崎から野口、成瀬から希美、望から希美…あと大家の野原さんもいたな



いつもの一人独白って形で話は進み、それぞれの10年後が書かれている

それぞれの強烈な家庭環境が影を生みトラウマとなる

皆過去から逃れられなくて、もがいているのが辛いな


野口夫婦殺害現場にいた希美、望、西崎、成瀬

それぞれがNの為に役割を果たす


私は希美が望の為に…が一番切なかった


でもラストが少し不完全燃焼

もっとブラックな展開でもよかったんじゃないかな



これで湊かなえは制覇


「告白」が衝撃的すぎて、あのラストを越えるものはありませんでした

湊かなえ著


この手紙が、あなたへ届きますように。
手紙だからつける「嘘」
手紙だからつける「罪」
手紙だからつける「告白」
「あのこと」に真相が、封筒から零れ出す。
ー帯よりー



三篇の往復書簡で綴られています





『十年後の卒業文集』
高校卒業して10年後の放送部の同級生が集まった結婚式

そこには同級生千秋の姿はなかった

千秋は行方不明になっていた

それは5年前の事故が関係しているのか…

事実を知りたい悦子は、事故現場にいたあずみと静香に手紙を送る



高校時代のお互いの心の内が露見するにつれ

今考えれば他愛もない事が、そのときは全てなんだろうなぁ

人生変わるほどの重大事になるんだろうな、と言うのがわかります

千秋の失踪は終盤の手紙で明らかになりますが、5年も離れているとそうなるんだろうか…

というのは少し疑問に思いましたが、女は変わるんでしょうかね




『二十年後の宿題』
小学生時代の担任竹沢先生から過去に受け持った6人の生徒の消息を調べ、手紙でその後の暮らしを教えて欲しいと頼む

頼まれた大場は一人づつ会いに行き、6人は竹沢先生の旦那さんが水死した時に一緒にいた生徒だったと知る



6人目の生徒がある人物と同一だったのは以外だったけど、最初の頼み人が違ってたんですね

水死が生徒達の心に残した傷跡は…

竹沢先生の行動は、子供の心に、わだかまりと不信感が残ったでしょう

でも、大人になるにつれ皆も分かってきたのかな

先生と言うのは聖職では無いんです

先生も人間です

でもこれは我が子じゃないから言える事

大場くんのその後が、幸せで良かった





『十五年後の補修』
恋人の万里子に相談もせず、国際ボランティア隊に志願し、二年間P国に行ってしまった純一

万里子のエアメールから二人は文通を始める

それは二人の間では語られる事がなかった中学時代の事件を掘り起こす手紙でもあった



ただのラブレターから、事件の記憶をなくしていた万里子がだんだん思い出し

重苦しい雰囲気になってきて真実が明らかになる時

毒が出てきたかな…と思ったら

あら、そうなるのか、黒湊とじゃないのね(笑)

いや、こういう終わり方でも良かったけど…ねぇ

なんか後味悪くないや! みたいなぁ

期待はずれ(笑)
湊かなえ著


あらすじ
とある田舎町にできた足立製作所の工場と、社員のために建てられた田舎には不似合いな瀟洒な社宅。
そこに越してきた転校生エミリの環境に憧れや羨望の思いを抱きながら、4人の小学生はエミリと仲良くなる。
夏休みのある日の「グリーンスリーブス」が鳴る午後6時、彼女達はエミリの死体を発見する。
彼女達は犯人を見ていたが、その顔を思い出すことが出来なかった。
15年後、彼女達が抱き続けてきた罪の意識と、エミリとエミリの母に対する償いが、さらなる悲劇を巻き起こす。
ーWikipediaよりー



章ごとに主人公が変わる形式で書かれています

紗英 「フランス人形」の主人公

真紀 「PTA臨時総会」の主人公

晶子 「くまの兄妹」の主人公

由佳 「とつきとおか」の主人公

麻子 「償い」の主人公でエミリの母



4人の子供達に麻子が放った一言が、深い影を落としその後の人生に関わってくる


誰が悪いんだろうか

殺人者は勿論だけど、因果応報とも言えるかな


言い放った言葉は独り歩きし、「贖罪」と言う言葉でがんじがらめにする


育った環境が違うと言う事は、考え方までもが全く違い、相容れることはないんだろうな

自分本位で育ち、自分の物指しでしか考えられない

お嬢様といえばそうだけど…

やはり因果応報という言葉がぴったりのような最後です
東野圭吾作
加賀シリーズ2作目です


あらすじ
美貌のバレーリーナが男を殺したのは、本当に正当防衛だったのか?
完璧な踊りを求めて一途に稽古に励む高柳バレエ団のプリマたち。
美女たちの世界に迷い込んだ男は死体になっていた。
若き敏腕刑事・加賀恭一郎は浅岡美緒に魅かれ、事件の真相に肉迫する。
華やかな舞台の裏の哀しいダンサーに悲恋物語。
ー講談社よりー



加賀さんの恋話

徐々に魅かれて行く様子が良く伝わってきて

美緒のピンチには颯爽と現れ助けたり、無言で寄り添ったりと

加賀さんって素敵だわぁ、ほんと良い男だわぁ


今回は伏線が思わぬ悲劇を呼び込んでいて、お互い辛いよね



一芸に秀でるのは、並大抵の事ではないだろうし

その努力は凄まじい

バレー界の裏を見た思いがしました
ストーリー
天下統一を目指す豊臣秀吉は関東の雄・北条家に大軍を投じるも、その中には最後まで落ちなかった武州・忍城(おしじょう)と呼ばれる支城があった。
その城には領民からでくのぼうをやゆした“のぼう様”と呼ばれ、誰も及ばぬ人気で人心を掌握する成田長親(野村萬斎)という城代がいた。
秀吉は20,000の軍勢で攻撃を開始するが、将に求められる智も仁も勇もない、文字通りのでくのぼうのような男の長親は、その40分の1の軍勢で迎え討とうとする。
ーシネマトウディよりー



でくのぼうは仮の姿で、戦国の世を生き抜いたのぼう様こと成田長親
突き進むだけじゃ勝ち抜けない事をまざまざと見せ付けられました

民百姓の中に溶け込み信頼を勝ち得た人心術はお見事

水攻めで戦意喪失する民に、踊りで味方ばかりか、敵までも魅了する

狂言は観た事ありませんが、素晴らしい伝統芸能である事はわかります


脇を固める俳優人達
佐藤浩市はかっこいいし、ぐっさんの武術バカと成宮くんのちょっと軽い役所といい調和が取れていたし、敵方の3人もキャラ立して良かった

城明け渡しの話合いで、キモの座った所を見せる長親と
それに苦笑しつつも承諾する三成
人と人の繋がりをみせる良い時代だったんでしょうね


最初の時代背景のナレーションでその時代の勢力がわかり
話に取っ掛かりやすくなっています


上映時間2時間25分、結構長かったんですがあまり長さを感じずどんどんのめり込んで観ました

エンドロールで現代の行田市の風景と、昔とリンクした地名や現存する石田堤などが映し出されます

行田観光、別の意味でも行きたくなりました
ストーリ
「この人は誰に愛され、誰をあいしていたのでしょう。
 どんなことで 感謝されたのでしょうか。」
人が亡くなった場所を巡り、その死を悼む男、坂築静人。
彼はなぜ、あらゆる死者を悼む旅を続けるのか。
静人に関心を抱き、その裏を暴こうとする雑誌記者・蒔野抗太郎。
悼みの旅に随伴する、かつて夫を殺した女・奈儀倖世。
癌に冒されながら、静人の帰りを待つ母・巡子
そして新たな生命を授かった、静人の妹・美汐。
彼らの思いは絡み合い、静人の悼みへとつながっていく…
ー公式よりー

坂築静人  :向井 理
奈儀倖世  :小西 真奈美
蒔野抗太郎 :手塚 とおる
坂築美汐  :真野 恵里菜
坂築巡子  :伊藤 蘭


小説も読まず、あらすじを読んだだけで観ました
なので、ストーリ的には共感もせず
悼む人…つまりそれはその人の宗教観なのか?
ちょっと、母との関係も理解できませんた
倖世の気持は、自分の存在価値を探した上での事件なのかな

「人の死はどんな人の死であってもすべて平等だ」
という考え方に違和感ありでした

小説読んでから観た方が、役柄に入り込めるかもしれません


舞台上はセットは殆どなく、場面展開がソファとスクリーンに映し出される写真で構成されていて話の流れが実にスムーズでした


静人役の向井理が実に良かった
彼の舞台は2度目ですが、淡々とした感情がないようなセリフや感情が爆発するセリフも実に聞き取りやすかった
派手なオーラを消し去り、自然体の役作りに役者向井理をみたような気がします
彼はやはり映画やドラマで安売りするのではなく、舞台俳優としてじっくり演じて欲しいと思いました


奈儀倖世役の小西真奈美の長セリフにびっくりしました
殺した夫・朔也の演技も同時にしていましたが、あの低音なのに明瞭なセリフ
細い体にみなぎるパワーを感じました


蒔野抗太郎役の手塚とおる
一人芝居が相手が居るような錯覚に陥り、上手いな と感じました
舞台出身の安定した演技力です


坂築巡子役の伊藤蘭は、しっかり舞台女優さんでした


坂築美汐役の真野恵里菜は、可もなく不可もなくの演技でしたが
やはり皆に食われる所はあったかな



約2時間半の静かな舞台
演出上のざわつきは、人気が先行してるので仕方なかったかもしれませんが
舞台俳優として彼を観ている私には少し残念でした
じっくり向井理という俳優を育てて欲しいものです
ストーリ
ジョセフは失業中の男やもめで飲んだくれ。キレやすいうえにりの感情を抑えらず、酒飲んでは周囲に因縁をつけて大暴れを繰り返す。
自分ではどうにもならない衝動的な怒りと暴力。
そんな日々に精神が消耗し、彼はもはや自己崩壊寸前に追い込まれていた。
ある日いつものようにいざこざを起こし、失意のどん底で駆け込んだチャリティ・ショップで、その店で働く女性ハンナと出会う。
明るく聡明な彼女の存在は自暴自棄なジョセフを癒し、やがて心を打ち溶かしていく。
しかしハンナもまた人知れずある闇を抱えていた。それは2人の人生に衝撃をもたらす事件へと発展する・・・。
ーガーデンシネマよりー



ジョセフが飼い犬を蹴り殺す
その時の呆然とした表情が彼の苦悩を表しているが、何度となく後悔を繰り返したのでしょう

ジョセフの為に祈るというハンナに、上流階級の匂いがしたが
真摯なハンナに、悪態付きながらも心を開いていくジョセフの変化が感じられる前半から、ガラッと変わっていく後半の流れが上手い

後半、ハンナの苦悩に寄り添うジュセフの変化と、やはり抑えきれない怒りの表情が心に迫ってきます


静かな静かな映画です
俳優人の表情が素晴らしく、すべての苦悩とラストの希望も表していました
さだまさし著、最新作


この国には古来、「不思議」が満ちていた――京都の旧家で長子誕生の際に行われる謎の儀式を描く表題作ほか、節分の夜に鬼がやって来るという信州の「鬼宿」、長崎に伝わる不老長寿をもたらす秘密の石「崎陽神龍石」など、各地の“伝説”を訪ね歩いて出逢った虚実皮膜の物語。ゾッとするほど面白く、ホロリと沁みる奇譚集!



第一話:はかぼんさん
     京都のお話
     これが本当に行われていたのだとしたら、とても悲しい話
     最後のオチに、え~って感じでした


第二話:夜神、または阿神吽神
     能登の神様のお話
     バブル時のお金に目が眩んで人の道を外し、心入れ替えた一人の男
     人間ってどんなに下っても、心を入れ替えられるものなんですね
     友情って、人を信じるって素敵な事です        


第三話:鬼宿 
     信州安曇野のお話
     節分に鬼が来るお宿になる旧家に嫁ぐ後輩
     先生以下主人公が訪れ不思議な体験をする
     目に見えなくても居るんだよ、鬼って怖くないんだよ


第四話:人魚の恋
     青森津軽のお話
     主人公の淡い初恋と、人魚の肉を食べ永遠の命を手に入れた娘の話
     永遠を手に入れると、人と関わりが持てない
     そんな女性の悲しさがラストに伝わります


第五話:同行三人
     四国お遍路のお話 
     眷属神の塒に迷い込んだ男達の話
     知らず知らず迷い込んだ為に、報いを受けた二人の男
     それは偶然とは言えあまりにも辛い現実
     それが必然だったと知った時、二人は自分達の人生を遍路の人々に捧げる
     同行三人の意味が分かったとき、罰と宝が試される時
     彼らの罪は消えたと思います

第6話:崎陽神龍石
     長崎のお話
     はるか遠く江戸時代の商屋のお話 
     はるちゃんの病気と向き合ったとき、それまでただの御伽噺だった話が
     現実身を帯びてくる
     皆がはるちゃんの為に、と言うのが伝わってくる
     ラストのオチも不思議な奇跡がいっぱい



ファンタジーです。不思議がたくさん詰まってます。
日本っていいなぁ    
東野圭吾さんの最新巻です



透視す:トリックは単純なほど騙されやすい、科学の世界でも同じだ

曲球る:あなたが言う抵抗は立派な努力に見えます。
     努力する事に無駄はない

念波る:運命なんて物は信じない、サンタクロース以上に

猛射つ:私は君にそんなことをさせたくて化学を教えたんじゃない

湯川シリーズの4編からなる短編です


 

透視す:騙されたかに見えた湯川、さすが科学の力でトリックを見破った
     継子の悲しいすれ違い、意地を張らず少し素直になれば人生変わったのに
     悪事も重ねると麻痺するもの。人間の欲って怖いね

曲球る:犯人もすぐに分かり、謎解きというよりも、夫婦の絆が描かれ
     努力する事に無駄はない、その通りだと思います
     内助の功の奥さんに報いる為にも…

念波る:双子の習性を利用したトリック。
     いち早く見破っていた湯川がみせた優しさ
     悪事働くなら、自分の手を汚しなさい。他人頼みだから露見するんだよ

猛射つ:助け合って生きていた姉弟が突如奈落の底に突き落とされる
     真実を知った弟の怒り・無念は如何ほどか
     伸吾を止められるのは湯川だけ。湯川の決意が伝わってくるラスト。
     伸吾を信じていたから出来る事。
     いや、彼ならたとえ犯罪者になっても伸吾の望み通りしていたかも…



今回は謎解きより、湯川の人間性に重点が当てられていた感じで、私は前作の7よりも好きです。
特に「猛射つ」は短編なのに良くまとまっていて好きな作品です。