岩陰の横穴、そこには、太陽が沈み始めたとき用に、いくつかのランプが岩壁に取り付けられている。
そして、隅には、イカダを作るための丸太、旗に使う真っ白な布(よく見れば、大きめなそれは、宿屋には沢山あるであろう、シーツのような気もする)や、道具箱が積まれている。
しかし、
少年—Keith=Ellwood(キース・エルウッド)—は、それらには目もくれず、奥まったところに並べられた壺や樽をせっせと退かし始めた。
まるで、その奥に何かわくわくするものがあるというかのように。
「ふぅ…」
壺と樽の群を全てあちらこちらに押しやったキースは、その重労働で額に浮いた玉のような汗を拭った。
壺と樽の奥に隠されていたのは、中に石が沢山詰め込まれた麻袋と、その下に、これまた隠れるように重ねられた石板であった(この石板は、勉学の為に学校でもらったものである。まあ、キースがおとなしく学校などにいく筈もないのだが。因みにこの街では、16になると、学校は自由制になるので、絶対に行かなければならないものではない。羨ましい)。
見た目より重い麻袋を退ける。
その下にある石板を見て、表面を覆う砂に、ついさっき付いたような真新しい指の跡を確認して、彼は含み笑いを漏らした。
「先越されちまったか」
—ギギッ、ガコン、
麻袋よりは幾分軽い石板をずらすと、歪な形の穴が姿を現した。
本当の秘密基地への入口である。
重労働の繰り返しで、少し、疲れてはいるようだが、口許には押さえきれないといった笑みが刻まれている。
ぐい、とキースが穴に頭を突っ込み、
「おーい!いるかぁー?」
と叫んだ。
すると、
「うん、いるよぉ~!」
と、木霊のように響きながら、予想していた返事が返ってきた。
続く…。
あとがき。
うん、疲れた←
いやぁ、2話目だってのに、主人公いまだ未登場(;・ω・)
いや、キースも主人公やけどね!キャラクターは全て主人公!
次からやっと、会話文多めになると思います
で、次の次くらいで、主要人物は全員出てくる予定(←つっても、たった3人だよ)
えー、ではでは、
Goodbye and have a nicedream