東名高速では静岡県内に上下線とも4箇所のSAがある。
 東京方から順に,足柄,富士川,牧之原,浜名湖で,この中でも下り線の足柄SAは「日本一大きな(収容台数の多い)SA」だそうだ。
 一般的に,SAは50km程度,PAは15km程度の間隔を目安に設置され,SAには飲食施設や売店などの他,GSも設置されていることがほとんどで,大規模な施設であることが多い。一方のPAは,売店などもなく自販機程度のところがあったり,と小規模なことが多いのだが,最近ではGSだけではなく飲食施設,更にはドッグランから宿泊施設まであったりするPAもあり,SAとPAの区別はかなり曖昧になっている。

 しかし,最も首都圏寄りの足柄SAは混んでいることも多く,あまり利用したことがない。
 これまでで最も利用したことが多いと記憶しているのが,浜名湖SAで,かつて年末に浜松市内のホテルで毎年恒例のように半額で泊まれるキャンペーンをしていたこともあり,その際に少し大回りだが,三ケ日ICからの出入りで立ち寄ったりした。他にも,2004年の「浜名湖花博」にも何度か行っており,その時も同様だ。
 また,富士川SAは,2005年の「愛・地球博」の際に,義姉の一家(当時,姪が年長で甥も3歳)と車で向かった時に,夜間の仮眠をこのSAで取ったように記憶している。「愛・地球博」には「全期間入場券」を持っていたこともあって,何度となく行っているのだが,車で行ったのはこの時くらいだ。
 牧之原SAについては,恐らく立ち寄ったことがないように思うのだが,その理由は不明である。近隣のPAも同様なので,単に「ちょくちょく行く方面と時間帯の関係による傾向」なんだろう。

 直感的な距離感では,全行程の3分の2ないし7割程度と見ている浜名湖SAは,往路の休憩ポイントとしては当初から決めていた。後は,その前後で1箇所ずつくらい,その時の雰囲気で,という方針。
 復路は,昼前後に現地発の予定だから,上りのラッシュ前に首都圏入りするとなると,現地で昼食は取らずに出発したい。
 すると,ランチタイムの混雑も避けるとして,14時過ぎくらいに通過しそうな浜名湖SAは,やはり丁度いいのではないだろうか。
 浜名湖まではそのまま走り,それ以降は,どこか1箇所程度の休憩を考えよう。

 ということで,浜名湖SAへ。


 到着したのは,13時少し前だった。思ったより順調だ。

 このSAは,上下線とも南側の浜名湖畔に出るようになっており,下り線は普通に,上り線は本線を跨いで,という構造になっている。
 店舗などのエリアは共通だが,車の導線は上下線で完全に分割されており,下り線方向(名古屋方面)で見て,手前(東京)側が下り線,奥(名古屋)側が上り線の駐車エリアになっている。


 手前側は「物産」系と屋外系の飲食物が主で,フードコートなどは奥側に,という構造。奥のほうに進むと,フードコートの入口付近で「うなぎ弁当」などを販売していた。

 「うなぎ弁当」は「松」が3,980円,「竹」が2,200円で,うなぎが「一尾」か「半分」かの違いらしい。
 その他に「うな丼」1,680円というのがあったので,このくらいかな,と注文した。

 注文を受けてから焼くようで,10分ほどしてからまた来るように,と整理券を渡される。

 「うな丼」は,一口大のうなぎがいくつか乗っている他に,肝焼きもあって,ここは好みが分かれるところだろうか。


 価格差が数百円であれば,「竹」のほうが良かったかな,とも思ったので,帰りはそちらを試してみよう。
 なお「カップ鰻めし」1,380円は,かなり小ぶりなので,よほど少食な方以外には「うな丼」以上をお勧めする。

 屋外にもテーブルや椅子が設置されてはいたが,フードコート内にも空席が多数あったので,そちらで食べる。
 フードコートにもうな丼を提供する店があったが,若干,価格が高目に感じた。もしかすると消費税率8%(弁当)と10%(フードコート)の差かも知れないが。
 フードコートの他にも,鰻メインの専門店も入っていて,更にお高めだが,落ち着いてゆっくり食べたいなら選択肢にはなろうかと。

 元々浜名湖側になる下り線だけではなく,上り線をわざわざ本線上で立体交差させてまで施設共用の集約型にしているのは,地形的な理由もあるようだが,浜名湖の眺望が大きな理由の一つになっているらしい。


 そのため,SAの施設に隣接して公園のように整備されたエリアがあり,遊覧船の乗場まであったりする。遊覧船は,例年4月下旬から11月下旬頃まで,週末を中心に営業しているらしく,今回は期間外だったが,所要約20分で税込1,000円とのことなので,機会があれば乗ってみようかと思う。

 小一時間,浜名湖SAで過ごし,再び東名高速を西進する。
 豊田JCTから伊勢湾岸道に入り,愛知・三重県境の弥富木曽岬ICの先にある湾岸長島PAに立ち寄った。

 この辺りは,小雨がぱらつく生憎の天気だが,傘はなくても大丈夫な程度。

 PAではあるが,そこそこの広さの飲食施設があり,足湯もあったりと,PAとしては規模が大きい。


 湾岸長島ICと併設されたような構造で,上下線がともに本線より内陸側(上り線側)に一般道からの出入口や料金所を挟んで設置されているが,PAとしては上下線で分割されている。

 そのため「足湯」も飲食施設も両方にあるらしい。

 本線の反対側になる海側には「ナガシマスパーランド」があるのだが,実は,19年前に行ったことがある。
 「愛・地球博」が開催された2005年に,往復はがきでの抽選だった「サツキとメイの家」に2回当選して,2度目は「富士川SA」の項で触れたように,就学前の姪と甥のいた義姉一家と一緒に行った。往復とも夜間に車で移動するという「強行軍」だったため,その帰りに「ナガシマスパーランド」に立ち寄ったのだが,夕食の時に,当時まだあまり喋らなかった甥が,無言で観覧車を指差しニコニコしていた……ので乗ることになった,という記憶がある。


 PAからは,下り線だったので何とかギリギリ「想い出の観覧車」は見ることができた。LINEで「●●(甥)想い出の観覧車」と写真を送ったら,思い切りウケていたようだが。

 流石に何か食べようというほどではなく,足湯も座る所が小雨で濡れていたので見るだけに。

 時刻は,まだ14時半。
 この時期の三重県付近の日没(一応そのくらいまでには宿に入る予定)は,18時過ぎだから,まだ余裕がある。
 鈴鹿の宿に直行するなら,この先,みえ川越ICから国道23号(名四バイパス)に下り,柳ランプウェイから県道54号・鈴鹿環状線へと進む,あるいは,そのまま四日市JCTから東名阪道へと入り鈴鹿ICから県道27号・神戸長沢線を経由するか,のいずれかだろう。
 しかし,いずれにしても16時になるより前に鈴鹿(平田町)に着いてしまうと思われた。

 勿論,その場合でも鈴鹿市内,それも宿から1~2km圏内にある「鈴鹿グランドボウル」を含む2軒のボウリング場を巡れば丁度いいのかも知れない。
 だが,折角ここまで順調に来たのだから,この際,先に津まで行ってしまうというのはどうだろう。

 前回の「学校対抗」の際に,その「学校対抗」が故に(筆者は)投げ損ねた「津グランドボウル」を,この機会に改めて訪問しよう,ということは考えていた。

 

 

 3泊4日の行程のうち,最終日は午前中一杯が「春高ボウリング」で,その後は,その日のうちに帰宅し,できれば長男のボールを(長男のホームである)「ボウリング王国スポルト八景店」のロッカーに戻したいから,まず時間的に無理だ。
 2日目の月曜日は,日中を100円テーリングに充てることになるのだが,前回は津よりも南側を巡っているので,今回は四日市よりも北側か鈴鹿・亀山よりも西側を巡ることになりそうだ。すると,その日の夕刻以降に,津まで往復するとなると効率が悪い。
 3日目の火曜日は,日中「春高ボウリング」があるため,鈴鹿から離れる訳にはいかないが,17時過ぎには競技終了予定なので,それ以降はフリーだ。

 「ボウリング場めぐり」的には,この3日目の夜間と,まさに今この「初日」の現地入り後で,鈴鹿の2箇所と「津グランドボウル」を片付けるのが,最も効率的だろうと思う。
 すると,この後考えられる選択肢は2通り。
 このまま宿に入って,「鈴鹿グランドボウル」ともう1軒の「アピナボウル鈴鹿店」を「はしご」する。あるいは,このまま「津グランドボウル」に寄ってから宿に入り,その後「鈴鹿グランドボウル」に行く,のどちらか。
 前者の場合は,3日目の夜間に「津グランドボウル」に行くことになり,後者だとそれが「アピナボウル鈴鹿店」になる。

 結局,今のところ長時間ドライブの影響はあまり感じておらず,元気なうちに「津グランドボウル」を片付けておこう,という判断に到った。

 津に向かうとなれば,前述した国道23号でも東名阪道でも,そのまま南下を続ければいい。東名阪道の場合は,亀山(正確には伊勢関)から伊勢自動車道になるが,津ICないし久居ICで出ればいい。
 いずれにしろ津市内は,前回の「学校対抗」の際にも走り回っており,かなり「土地勘」もできたから,適当に走っても何とかなりそうだ。

 ということで,津ICから一般道に出たのは,まだ15時半になる前だった。
 しかし,流石に500kmを超える長距離ドライブになったため,ガソリンの残りが僅かになっていた。燃料警告灯こそ点灯してはいないが,インジケータは残り一目盛だ。

 津ICから国道23号に向かうと,合流点はそれこそテーリングで立ち寄り,更に「ゆうパック」の発送にも行った22001:津中央郵便局のある交差点だ。
 そこまでにはGSが見当たらなかったが,記憶によれば津中央局から鈴鹿グランドボウルまで行く間に,左側に2~3軒のGSがあったように思う。
 国道23号は,結構な渋滞になってはいたが,記憶を信じて左車線をひたすら進む。
 ところが,岩田川を渡った本町にあったENEOSは,何と「日曜定休」だった。これは,ヤバいかも知れない。もし,この後も軒並み日曜定休だったら……(汗)。

 更に進んだ「大倉南」交差点の際にもENEOSがあり,こちらは営業している模様。やれやれ,と入ったはいいが,どうやらセルフではなく,今時貴重になった「フルサービス」店だった。
 しかし,カードも使えるし,「ENEOSカード」に紐付いた「EneKey」も使えるらしい。
 ただし,自宅近くの相場は(この当時)160円/Lだったのに対して,167円/Lと,ちょっと高目だった。が,この状況では背に腹は代えられない,ということで。

 後で気付いたが,先に単価を聞いていたら,例えば10Lだけとか千円分だけ,と指定しても良かった。
 この後,帰り際に,みえ川越IC近くで給油したら160円/Lだったので,そこまで走れるだけのガソリンが入れば問題なかったのだ。
 とは言え,翌日は100円テーリングで走り回るつもりなので,燃料の心配をしたくはないし,そもそもハイブリッド車のためか燃料タンク容量そのものが大きくない。恐らく30Lくらいしかないようなので(それでも650km以上の航続距離があるが),満タンにしたとしても27~28L程度しか入らない。10Lの給油と比較しても,その差17~18Lに単価差の7円を掛けて120円くらいだから,気にしても仕方ないかと。
 かつての自家用1号車には,タンク容量が60Lというものもあったから,それくらいだと結構な価格差になってしまうかも知れないが。

 とまあこんな具合で,長距離ドライブは,筆者的には意外と平気だったが,燃料(航続距離)的にはギリギリだったようだ。