親の会社に入って最初にやるべきことは何でしょうか? | 社長入門講座 

親の会社に入って最初にやるべきことは何でしょうか?

◆ユウタの質問◆

孔明先生に頂いた「100年発展する会社づくり」のコンセプトに感銘を受けて、親の会社に入ることを決意しました。
次期社長ということを社員にわかるようにするため、最初から取締役として入社することになりそうです。
しかし、まだ会社のことはよく分ってませんので、最初は勉強ばかりと思います。

一日も早く会社のことを理解し社員の信頼を獲得するために、親の会社に入って最初にやるべきことは何でしょうか?


◆孔明の回答◆

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「まず、人の嫌がることをやりなさい」
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親の会社に入る時、親は子供を後継者として、入社早々取締役にするなどそのポジションを明確にしようとすることは多い。
それ自体悪いことではないが、いくつか問題を引き起こるよ。

ベテラン幹部などは後継者に気をつかいながら、同時にお手並み拝見という微妙な状況になるよね。

その雰囲気から、
後継者自身も無様な真似はできないとプレッシャーがかかり、手柄を立てて、恰好をつけようとしがちだ。

無理に存在価値を示そうとすると、KY状態になって空まわりして、浮いた状況になってしまうケースはよく見かけるね。

あせらず、じっくり会社の実態を理解することから、始めることが肝要だよ。


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現場に入って、クレーム処理、売掛金の回収や在庫処分などの問題解決をしなさい。
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恰好が悪く辛い仕事だが、会社の問題点が凝縮された場所だ。
そこを見れば、会社の何が悪いかがすべて分かるのだ。

理論ではなく現場の情報をもとに改善に取り組くむことができる。

クレーム処理ではお客様の不満と社内の改善点がわかる。

売掛金の回収では、お客様の抱えている不満、お客様の信用状態、交渉力と法律の知識が、
そして会社のキャッシュフローの掌握力が身に付く。

在庫処分では、販売見込みの精度の悪さ、生産方法と仕入方法の悪さ、物流コントロールの改善課題から、
キャッシュフロー、無駄な経費の発生状況まで、会社の恥部を知ることになる。

それらの問題の解決は、部門ごとの対応では解決しない問題であり、全社的な取り組みが必要なことばかりだ。

そして、現場で苦労している人たちの不満の声も聞けることになるよ。

中小企業で部門をまたがる全社的な問題解決は、社長以外できないのが一般的だから、
臭い部分にメスを入れることは、経営上とても大切なことだ。

聖域なき改革はそこから生まれるんだ。


膏薬はりでない取り組みは、後継者が第一優先で取り組むべき課題だ。
最初から後継者は部下を使ってマネジメントに専念し、現場は部下に任せるというのは間違いだよ。

まず、自分が臭い部分に手をつけることだよ。


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美味しい漬物は、手をかけられた“ぬか床”からできる
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手が臭くなっても現場に入り、現場に新たしい空気を入れることから会社は利益を生み出すのだよ。


経営の仕事は、人を動かすことで成果を生み出すことだが、人を動かす影響力の源は”事実”だ。

まだ、実績もなく権限ましてカリスマ性がない状態では、まず事実の力を使うことが武器になる。

現実を知れば自分なりの意見も言えるようになる。


そして何よりも大切なことは、人が嫌がる仕事に率先して取り組んでいるいう姿ことが、
リーダーとしての評価を獲得することになる。

ベテラン幹部のやり方が古くて、馬鹿に見えることも少なからずあると思うが、
決して小馬鹿にした態度を取らないことだ。


くれぐれも、恰好をつけようとせず、現場に入りなさい。

”ぬか床”に手を入れなさい。