成長の見込みのない家業を継ぐべきか否か迷っています。 | 社長入門講座 

成長の見込みのない家業を継ぐべきか否か迷っています。

◆ユウタの質問◆

親父の会社に入るか否か迷っています。現在、銀行に勤めていて今はとても仕事が楽しいのですが、
親父から自分の会社の後を継ぐように言われています。
しかし、成長の見込みのない事業を引き継ぐのは嫌です。どうすればよいでしょうか?


◆孔明の回答◆

-------------------------------
  100年成長し続ける会社を作るつもりで後を継ぎなさい。
-------------------------------

どちらの道を選ぶかは、自分の人生観で選択をするものだよ。

大企業は確かに安定しているようだが、大企業といえども将来を保証するものは何もない。
またお父さんの会社を継ぐことも決して楽な道ではないよ。

しかし、大きな違いは自分で自分の仕事を決めることができるかどうかだよ。

大企業であれば自分の仕事は会社からの命令で決まるけど、中小企業の経営をするということは、すべて自分で自分の仕事を決め、同時に全責任をとることになるよ。

会社という組織に依存した生き方をするか、自分で裁量権と責任をもって生きていくかそうかの大きな分岐点だ。


お父さんのやっている事業は成長の見込みがないといっているが、事業は常に環境変化に対応することが必要だし、仮にいま好調な事業でも努力を怠ればいつかは衰退するものだよ。

いま成長性がないから駄目だと考えるのではなく、
閉塞感ある状況を自分の能力で打破できるチャンスがあると考えてはどうだろうか。

--------------------------
  後継者で会社を大きく飛躍させた経営者
--------------------------

実家の家業を継いで事業を革新し、大きく成長した会社もたくさんあるよ。

代表例でいうと、ユニクロの柳井正社長、そして今は亡くなられたがヤマト運輸の小倉昌男さんなど日本を代表する会社に育てた人がいるよ。

柳井さんは、イオン(当時ジャスコ)を辞めて、実家の洋品店である小郡商事を継いだ。
その後、世界のアパレル業界を研究してSPAという製造小売りという新たな業態を開発した。
紆余曲折はあったけれども今では日本を代表する会社になったよね。

小倉さんは、東京大学を卒業後家業のヤマト運輸に入社しそうだ。
エリートだったので会社では甘ちゃんの机上論者とベテラン幹部から言われ浮いていたことのあったそうだ。当時は長距離便が主流で、関東一円の近距離運送を得意としていたヤマト運輸は業績不振だった。
新社長になった小倉さんは、ドア・ツー・ドア個別配送需要の広がりを予見し、宅配便事業に転換していったのだ。


ここで、注意すべきことを言っておく。

-----------------------
  安易な気持ちで親の会社に入らないこと
-----------------------

例えば、

親のために、後を継いでやる
親の会社であればすぐに役員になれて、収入が増える
中小企業の社員はレベルが低いから、大企業のやり方を会社で教えてやろう

など、安易で奢った考え方であれば、決して入社すべきではないよ。


お父さんの生き方や仕事の仕方に反発を感じることもあると思うが、その生き方に尊敬の念を抱けることも大切な要素だ。


現在で判断するのではなく、将来に向けて会社の経営資源を生かしながら、新たな事業を創造する心構えが有るならばお父さんの会社の後をとりなさい。

----------------------------------------------
 これから100年成長し続ける会社を作ること目標にして、家業を継ぐのも立派な人生の選択だよ。
----------------------------------------------