迫力がない、覇気がない。

 

麒麟さんのこと、そう思ってました。

 

やっぱり一緒にいて、ラインしててつまらない…。

麒麟さんを振ってしまいました。

その反動で元カレのビッグさんに連絡。

ビッグさんと復活を果たしました。嫌な女!

 

 

そうして昨日、仕事が終わり、職場を出てのほほんと歩いていたら、

背後から、誰かにバッグをぐいっと引かれました。

 

職場の人かな?私なにか忘れ物を?

そう思ってふりかえったら…

 

キャップ帽にスウェット。鋭い目つきでこちらを睨むようにしてみている若者が。

 

ヤンキーにナンパされちゃったなー。。

 

いやいや、待って、見覚えあるこの顔。

 

!!!!!

 

麒麟さんじゃん!!

 

短髪になって、いつものやわらかい表情でなかったこともあり、全然わからなかった。

 

ガラス「「え?なに?麒麟さん?職場…調べたの?」

 

麒麟さん「ちょっと来て」

 

ガラス「え?」

 

麒麟さん「来て」

 

もはや誘拐です。

バッグをつかまれたまま車に誘導され、「乗って」と。

「二人で話せる所に行っていい?」

と。

 

 

あ、私、今日殺されるな…。

 

目深にかぶったキャップ帽に無精ひげ。

これ、防犯カメラにうつっても大丈夫なようにしてるんじゃ?

 

死ぬんだ…。

あのバッグのなかにナイフが入ってるんだ。

 

体が硬直しました。

 

身を固めて黙っていると、

「ごめんね、いきなり来て。これしかもうガラスに会う方法思いつかなかったから」

 

余裕がない、といったようなしゃべり口調で、時々彼が弁明。

 

車はホテルにむかい、

うついて硬直したままバッグを抱える私と

無精ひげでスウェットでイカつい風貌の彼を、ホテル従業員は不思議そうに見つめてました。

 

ホテルのなかで麒麟さんは「考え直して」「どうしても離れられない」の嵐。

 

どうせ殺されるんなら…と、無表情で「無理です」を繰り返し答え続けました。

 

抱きしめられて首筋にキスされ、押し倒されましたが、

「ヤダ、ヤダ。麒麟さんはそんなことする人じゃないもん」

すんなりやめてくれました。

 

思い余って元カノの職場に行っちゃうような彼ですが、

こちらが嫌ということや要望はきっちりきいてくれる、やっぱり弱気な良い男性です。

 

別れたくないと膝の上で泣き出したり、

彼がうつ病になった経緯を告白してくれ、慰めたり

わかれる、わかれないを一時間くらいずっと話して。

 

疲れ切って、

「私のことなにも知らないくせに」「私のこと好きじゃないよ」と言うと、

へなへなと否定する彼。

ついには「女性にはもっと積極的に行かないとダメ!」となぜか説教してる私。

 

なんだこの状況

 

「もう帰りたい」とつぶやくと

しぶっていましたが、「見送る」と。

 

帰りに車の中で、

GWに親に会って欲しい」「今からガラスの親に会いに行っちゃだめか」

「もうガラス以外の彼女作る気ない」

 

ずっと言い続けてくれ、後ろ髪引かれる思いがわいてきました。

 

私は「次にいいなと思う人がいたら、自分から行くんだよ!」

とまだ謎の説教しながら手を振り見送りました。

 

「またメールすること」を約束にお別れ。

 

 

悪くない彼。

たくさん思ってくれてるし。さすがに職場にこられたのはちょっと怖かったけど。

 

とてもひどいですが、教訓。思いつめる系真面目な彼には職場は教えないほうがいいな。

 

今日はビックさんに会ってきます…。

なんだか少し混乱。