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寺井邸

寺方元町3丁目

木版画同好会「ばれんの会」

南部一郎

 

いつの頃か不明だが、現在と同じ敷地の東側に門があった。祖父が丈夫で長持ちするという考えで欅(けやき)の門にしたらしい。実に古めかしいと言う印象だけが残っている。当時の入母屋の我が家も古くなったので、親しくお付合をさせていただいていた中西一有さんのお父さんに昭和24年、同じ形態で建てていただき現在に至っている。50年経過した今も、補修箇所もなく満足している。家の西側が当時、南寺方から大枝に向って川が流れていた。「ひなだ」(石段のある洗い場)からよく舟に乗って遊んだのを憶えている。それが昭和30年代に入り、暗渠(あんきょ)となり道路も広く、そして舗装されたのを機に門を西側に移した。欅の一枚物の門を作りたいと思い、福井県に何回となく足を運び、気に入った物をみつけて作って貰った。西日が当っても割れる事なく現在に至っている。

寺井正治

(寺方元町3丁目)

転載:守口市民憲章制定25周年記念木版画集『守口百景』
作成:守口市木版画同好会ばれんの会1998年
テキスト入力:元市民憲章副会長 はまがみ