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アポロン橋
河原町
土田博

昭和6 0年に完成した、再開発地域「トークティ守口」内にかかる歩道橋で、その上に設置されている「カリオンの鐘(希望の鐘)」は、からくり人形の演舞とともに四季おりおりの曲目で時報を奏で、市民に親しまれている。

1985年の駅前再開発事業の一つに「アポロン橋」があります。「アポロン」を辞典で引くと「ギリシャ神話に登場する神。美しく男性的な青年の神で、詩歌、音楽、予言、弓術、医術をつかさどる。ローマではアポロ」とあります。今まで何気なく利用していましたが、初めて守口を訪れた人に話を聞くと、京阪電車を降りて、京阪百貨店、守ロプリンスホテル、体育館を利用する時には必ず最初に目にする場所だそうです。エレベータ付きの歩道橋は早くから障害者、老人にやさしい街づくりを目指していた守口市を象徴していると思います。橋上にある「時」を告げる「希望の鐘」の音は、道行く人々に安らぎと希望をあたえてくれます。鐘の音に、ふと足をとめ青空を仰ぐ老人、足早に去っていくサラリーマン、ポップコーンを手におしゃべりしている若いグループ、子供を連れニコニコ顔の若い夫婦、この橋と共に歴史が動いているようです。
野坂尚子
(早苗町)

転載:守口市民憲章制定25周年記念木版画集『守口百景』
作成:守口市木版画同好会ばれんの会1998年
テキスト入力:元市民憲章副会長 はまがみ