宙組 王妃の館 大劇場 感想 | 百花繚乱

百花繚乱

駆け出し東宝組。宙から花のように降る雪多めに鑑賞。

 

 

きたぜーー、ムラ!!!!

王妃の盛り上がりを耳にして、いてもたってもいられず来たぜ村!!!

4月まで待てるもんか!!

何気なく王妃の館文庫本、宙組カバーをツイートしたら、その後一晩中がたがたがたと携帯が通知で震え続けて何事かと思った。

リツイートの伸びを見て、これが今の、宙組の勢いだー!!と感動した。

 

実は今、我が家には八冊、王妃の館がある。

通常バージョン上下巻、宙組カバーバージョン 自分用 、 宙組カバーバージョ保存用、宙組カバーバージョン貸し出し用。

ま、スカステの録画と同じですね。

なのに、あまりのテンションに、宝塚駅の本屋でまた宙組カバーの王妃の館を買いそうになってしまった。

なんかもう,花の道を意味なく走り出したいぐらい無茶苦茶うれしくてだね・・・

 

この日はマチソワ、新人公演観劇予定だからして、がっつり充填、カフェテリアで、ステーキ丼を摂取。

なんと、海苔までデュエットダンス。いかす!!

 

 

 

 

 

さてさて、王妃の館。

前評判どうり、面白かった。

みんなキャラが立ってて、テンポがよくて、ほろっとするところもあり、見て楽しい気持ちになる作品。

 

・登場人物が成長するところが、宝塚だな

北白川右京も、桜井玲子も、ルイも、お互いのあり方を見て、内省し、成長する。

それは原作にはない部分で、非常に宝塚らしい部分。

 

作家として行き詰まっていた右京と、同じく仕事に完全に行き詰っていた桜井玲子。

しゃかりきに詐欺まがいまでするほど追い詰められた彼女が、 右京に会って緊張の糸が切れたのだろう。

右京も、ルイを傷つけ、 自分に足りない部分を理解する。

われにかえって、右京が歌う歌が好きだ。

「書きたいのは、子供のころに大人がついてくれたような嘘。希望を持たせるための物語」

変人だけど、ピュアだな。ピュアだから変人なのか。

 

・朝夏まなと

もうね、本当に気持ち悪いの!! ながーーい手足をうねうねするから、本当に気持ち悪くて最高だった!!  大好き!!

間がすばらしい!!  下品にならず、ベストセラー作家の貫禄は残したシャープなつっこみ。

せこせことコメディタッチで歩く場面すら、やっばり宝塚スターの品があって麗しい。

 

・真風

まさしく太陽王。

あの長身、堂々とした体躯、長い金髪の鬘、王者の凛々しさ。

ルイ14世そのもの。見惚れるわ・・・・

また、真風も間がよくて、まあさまとの掛け合いは見事。

 

・せーこさん

桜井玲子を「好感が持てますわ」というところ。

原作のせりふ、残しておいてくれたんだな、とちょっとうれしかった。

原作でも働く二人の妙齢の女性が、いろんなつらさを少しだけ話すところがある。

早見さんは・・・あんまり話さなそうだけど、玲子さんの力にはなってくれそう。

 

・あっきー

無粋で融通利かず、マッチョでもてない近藤役があっきー??と驚いたけれど、あっきー版近藤は、誠実で真面目な警官なんだろうな、と思った。

だから最初はオカマのクレヨンを拒否するけど、彼女?彼のかしこさとかいじらしさをちゃんと理解して、可愛いと思えるんだろう。

いい男だぜ、まこちゃん!!

最後のキスシーン、初日から悲鳴と喝采かあがった、と耳にしてましたが、なるほどこれは・・・。甘い・・・・・

 

りくの胸の谷間

恫喝するときの男の声と、ぶりぶりするときの可愛いしぐさのメリハリがすばらしく、見事なオカマっぷり。

本当に可愛いのに、どう見てもオカマなのがすばらしい。

明るくて、頭がよくて、コケティッシュで、本当に愛らしいクレヨン!

絶対友達になったら楽しいよね、彼女。

 

・下田夫妻 

大変な苦労をして工場をつくり、借金を抱えた夫妻で、ツアーはこの世の最後の思い出のために参加している。 

妻のふさ子は、いつも笑っている。

原作では、夫とであった高校の教師に 「お前はブスだけど笑顔がいいよ、だから浩治に嫌われたくなかったらずっと笑っていろ」 といわれ、悲しいときも絶対に笑ってきた人。

美風舞良さんが演じていたのだが、その笑顔がすばらしい。

頑張って笑ってるんだな、夫のためにわらってるんだなっていうのが見える、つくった笑い、本当にせつない笑顔なんだ。

すっしーさんともども、最後、笑いながら泣くシーンも見事のほかない。号泣必須。

 

・岩波夫妻

奥さんの花音舞さんが可愛い老女を演じてらっしゃる。カンカンを見に行ったシーンで、宝塚見た田舎のおばーちゃんみたいににこにこして、手を叩いてる素振り、キュート過ぎる。このご夫妻の息の合い方が、長年連れ添ってきた感があってとても素敵。

 

・かんちゃんみちる

成金と、ホステスカップル。二人ともそれほど真剣に付き合っていなかったのが、この旅行中にお互いの本当の姿 (苦労人、真面目、律儀) を知り、本当のカップルになる。

原作で「パパ」と呼んでたのが、「かんちゃん」になるところが感動的なのだが、宝塚版でも、どこかでそれを入れてほしかったな。

 

・ディアナ 美

 

かんちゃん、桜井玲子は雇わない

原作だと、成金かんちゃんのベガスのホテルのガイドとして、その語学力、企画力等を見込まれて雇われるのだが、宝塚版では玲子ちゃんは雇っていない。玲子さんが自分が何を大切にしたいのかを考えるための時間を作ってくれたようで、いいなと思った。 今回退団のみりおんにも重なる。

 

 

あきりくの舞台写真は売り切れになる前にちゃんと入手しました。