皆さん、お元気ですか。
持続的な健康と幸福 well-being 歯科医師の雅です。

歯と歯の連結について、考えてみましょう。
乳歯も永久歯も、歯は1本ずつ生えてきます。

歯根には、歯根膜(しこんまく)と呼ばれる
クッションがついており、感覚を司っています。

歯はわずかに動く(生理的動揺)性質があり
強い力で噛んだ時も、歯の衝撃を吸収します。

食べ物に、アルミホイル・髪の毛・小石を感じる
センサー機能です。天然の歯はスゴイですね。

歯科治療の中には、天然歯をぐるりと360度削り
連結した冠(かん)をかぶせる方法があります。



ブリッジも、連結冠の一種です。動かなくて丈夫
ですが、生理的動揺が無くなり、掃除が大変です。

連結すると、歯間清掃用具のフロスを通すことが
難しくなります。口臭の原因にもなります。

先日、歯をすべて連結され、重度歯周病に悩む
新たな患者さんが、来院なさいました。



エックス線写真、口腔内写真、歯周精密検査、
口腔内診査で、重度歯周炎と診断しました。

連結冠を外すと、抜けてしまう歯ばかりです。
高血圧症でお悩みで、降圧剤を服用中です。

まずは、不良な連結冠を外してみましょう。
不良肉芽(肉芽)が多く、出血多量です。



抜歯前には、おにぎりを食べていただきます。
血糖値を上げて、無痛で麻酔を行います。

感染予防のため、抗生物質・整腸剤・鎮痛剤
を服用します。30分後から、薬が効きます。



いよいよ抜歯です。連結冠と一緒に抜けます。
抜いた凹みから、不良肉芽をかき出します。

抜歯窩(か)からバイ菌がいなくなったら、
自然に血は止まります。

かみガーゼは、2時間かんでいただきます。
降圧剤を飲んでいる方は、止血困難です。

一生自分の歯で守り続けるために、
歯を削らずに予防するのが一番です。

どうしても歯を削る必要がある場合は、
できるだけ連結しないで仕上げましょう。

私の口の中には、連結冠はありません。
フロスが通らないと、死が近づきます。

well-being !!

医療法人百成会
ちば歯科医院 千葉雅之