たとう(いれずみ)除去の前後で必ず考慮すべきポイントは?
たとう(いれずみ)に対する認識が変わり、たとうを入れる人も増えてきました。しかし、仕事や結婚、育児などの理由で、苦労して入れたたとうを除去しようとする人も多くなっています。警察・軍人・公務員など、職種によっては採用時に制限となる規定があったり、面接でマイナスに作用する場合があるためです。
とはいえ、たとうを除去する際も、入れるときと同じくらい慎重に検討すべき点があります。まず重要なのは、除去方法を慎重に選ぶことです。一般的に、たとうの除去方法としてはレーザー治療がよく知られており、外科的な除去(手術)という方法もあります。
レーザー治療は、たとうの色素に吸収されやすい波長のエネルギーを用いて、色素を細かく砕くように破壊し、除去する方法です。たとうの大きさ、色の種類、色素の濃さ、深さなどによって、使用するレーザーの種類や出力、施術回数は異なります。
一般的に、正常な皮膚組織へのダメージを最小限にするため、レーザーの出力などを調整することが多く、その結果として複数回の施術が必要になるケースが少なくありません。そのため、施術の間隔を十分に空けながら複数回にわたって除去を進めることになり、治療期間が長くなる可能性がある点を考慮する必要があります。たとうによっては数回から数十回以上の施術が必要となることもあり、2〜3年以上かかる場合もあります。皮膚に麻酔をして行うレーザー治療であっても、施術中や施術後の痛みが強いことがあり、滲出液(じくじゅつえき)に対するドレッシングを継続的に行う必要もあります。
レーザー治療は「手軽に色素だけがきれいに消える」と思われがちですが、強いエネルギーにより表皮や色素周囲の皮膚組織まで損傷が生じ、瘢痕(はんこん)、色素脱失(だっしょく)、瘢痕などの副作用が起こるおそれがあります。インクが完全に消えなかったり、たとうを消した跡が形のまま残って、かえって強いストレスにつながるケースも珍しくありません。
外科的なたとう除去は、たとうのある皮膚を切除して取り除く方法です。たとうのある皮膚を真皮層まで確実に切除し、周囲組織の皮弁(ひべん)を挙上して縫合します。幅の大きくないたとうやレタリングたとうなどは、多くの場合1回の手術で除去が可能です。
たとう除去手術は、たとうを短期間で除去でき、たとうの痕跡が残らないという利点がありますが、縫合した瘢痕(きずあと)が残ります。ただし、時間の経過とともに徐々に薄くなり、細い一直線状の瘢痕になることが多いです。その瘢痕は、ケガによってできた傷跡のように見えるため、たとうの跡に見えない場合もあります。
手術後の瘢痕は、さまざまな手術ノウハウと徹底した術後管理によって最小化することが可能です。皮膚を切開する際には、できる限り皮膚の緊張線(しわの方向)に沿って切開線の方向を適切に設定し、切開角度を微調整することで、瘢痕に視線が集中するのを分散させることができます。縫合の際には、皮膚組織を層ごとに特殊な糸で丁寧に縫い合わせる「微細三重縫合(びさいさんじゅうほうごう)」により、皮膚にかかる張力を減らすことができます。
また、術後の管理によっても、瘢痕の最終的な仕上がりは明らかに変わり得ます。管理方法や注意事項をよく守ることが大切です。瘢痕が広がらないようにサポートする「ステリストリップ」という専門的な瘢痕ケア用テープを使用することも有用です。より細かな瘢痕まで最小限にしたい場合には、術後の瘢痕レーザー治療や瘢痕注射などを併用することで、回復の促進にもつながります。
たとう除去後の結果は、医師の経験や熟練度、ノウハウによって大きく左右されます。そのため、最初から経験豊富な専門医と相談し、たとうの状態を十分に診断したうえで、それぞれの治療法の長所・短所を十分に考慮し、適切な方法を選択することが重要です。
















