私は競馬における高回収率ファクターを探すべく、様々な視点から統計を取っている。その中でも有用なものを記事にして紹介している。しかし、記事にしていないだけで、実は空振りだった統計もある。今回はそのうちの一つである「オッズ別の馬連回収率」の統計結果を紹介したい。



【調べようと思った経緯】

私はいつも人気を見て馬連の組み合わせを決めているが、一概に○番人気といっても毎回オッズが異なることが気になっていた。例えば、2月に行われた共同通信杯(GⅢ)の出馬表を見てほしい。



1着⑦エフフォーリア2着は⑨ヴィクティファルス3着⑪シャフリヤールだった。ここで注目して欲しいのが、6番人気の②キングストンボーイの単勝オッズが10.4なのに対し、7番人気の⑨ヴィクティファルスの単勝オッズが41.9と大きく乖離している点だ。


私はこのレースを予想する際に、本命を⑦エフフォーリア対抗を③ステラヴェローチェと決めた。そして、相手を⑨ヴィクティファルス、④プラチナトレジャーにしようと思ったが、単勝オッズを見て手が止まった。私がいつも人気馬の相手に選んでいた5〜8番人気の馬は単勝オッズ10〜30倍程度であり、40倍を超える馬を相手に選んだことがなかったからだ。結果的に馬連8,120円を的中させることが出来たが、「馬連を買う際に人気馬の相手として単勝オッズ30倍を超える馬を選ぶ」ことが統計的にアリなのかどうかが気になった。



【統計結果】

では、問題の統計結果を見てみよう。対象は2015/1/1〜2021/3/31の出走頭数14頭以上の障害以外の重賞レース。



この表の見方なのだが、上部と左の「1〜2」と書かれているのは「単勝オッズ1.1〜2.9」という意味で、「30〜49」と書かれているのは「単勝オッズ30.0〜49.9」という意味である。単勝オッズがクロスしている部分は回収率を表している。

つまり、上部の「5〜6」と左の「1〜2」のクロスしている部分の「108.4」の意味するところは、「単勝オッズ5.0〜6.9と単勝オッズ1.0〜2.9の馬連の回収率は108.4%」ということだ。

そして、もうお分かりだろうが特に傾向というものはない。オッズだけ見て、「これだけ買っていれば大丈夫」みたいな組み合わせは存在しない。

ちなみに、⑦エフフォーリアの単勝オッズは6.8⑨ヴィクティファルスの単勝オッズは41.9なので、この表だと回収率は142.8%となっている。残念ながら、何の参考にもならない数字なのだが・・・。