わたくしは仕事柄、様々な情報が必要だ。
中でも重きを置くのはビジュアル面での情報だ。
打ち合わせの段階で依頼主様から情報を聞き出すのだが、大半はネットで探したイメージをスマホを通して提示してくる。
検索して当たり前のように必要な情報が手に入る。
非常に便利だと思うし、わたくし自身よく利用するツールでもある。
しかし写真を振り返り、過去にネットから拾った画像を見て、なぜこの画像を保存したのだろうか、と思うことが多々ある。
いくら素敵な画像だと思っても日々上書きされる写真や情報で数日経てば忘れてしまう。
わたくしの記憶力の問題でもあるのだが、そういった面もあり、わたくしはアナログな本が好きだ。
背表紙、表紙を見て、これを読むんだと心の準備をし、本を開く、文章にしろ、写真にしろ、手でページをめくるごとに情報の上書きではなく、情報を積み重ねる感覚がとてもわたくしの心を満たしてくれる。
数日前検索した内容は覚えてはいないが、幼少期に読んだ絵本の記憶はいまだにある。
あんな写真が見たいな、と思い検索してすぐに表示される写真と、本を探し、ページをめくって見つけた写真と、同じ写真でもまったく違った記憶のされ方をすると思う。
時間の無駄と言ってしまえばそこまでだが、記憶は財産だと思うわたくしには、その記憶を積み重ねてくれる本は不思議な力があり、財産だと思えるのだ。
スマホではなく、一緒に本を楽しく見れる恋人との時間もまた本の力によって素敵な記憶になるのだろうとわたくしは思う。
