小学生のプールの授業の後。目が充血するからとかなんとかの理由で目薬を持っていっていた。
ただ目薬をさすのがどうしても怖くていつも一握りの勇気が必要だった。
ある日「目薬を直接さすから怖いんだ。手に一度目薬を垂らしてから目に入れれば怖くないかも。」と天啓にうたれたので早速実践してみることにした。
手に目薬を一滴垂らしてみると、その一滴が手のひらで踊るので目に入れるまでのコントロールが非常に難しい。
思い切って顔を上に向け、顔の上で手を縦に向けると目薬は目に入らずに口に入った。
「うわっ。」と思い顔を正面にやると着替え中の友達に見られていた。
怪訝な顔をしていたので何か言わなきゃと思い一言。
「にがい。」
その友達は「何故そんなことを?」と言ってきたのか、そんなことを言いたい表情だったので続けて「いや、どんな味か確かめたくて。」と言った。
友達よ、あれは嘘だ。ただ手から目に目薬を入れたかっただけなのだ。
何故あんな小さな変な嘘をついたのか分からない。
ふと思い出しても分からない。大人になっても分からない。





