宮沢賢治の童話に「双子の星」というのがあるのだけれど、それがとても可愛らしいお話で好きです。
ふたごのお星さまの仕事は夜に自分たちの水晶の宮に座って空の王様のために楽曲すること。
ある日ほうき星がふたりを誘います。
曇った空ではふたりの銀笛を雲の下では聴くことができないから自分と一緒に空の果てにいかないかと。
ふたりは最初断ります。
ほうき星はきちんと約束を守るから、守らなければ自分は海に落ちてなまこになるだろうといいます。だから約束は守ると。
そしてふたりはほうき星の尾っぽに捕まってすごい勢いでアッと言う前そらの果てに行きます。
ほうき星はふたりをだましていたので、尾っぽを振って落としてしまいます。
ふたりは可哀想に海の底へ。
そしてヒトデに取り囲まれます。
海の底にいたものは、元は空にいたもの。だけど罪を犯して海に棲むことになったものです。
ヒトデたちはふたりがどんな罪を負ってやって来たのか知りたがります。
ふたりが騙されていただけだというと怒ります。
そのうち取り囲まれているふたりの元に海蛇がやっきて、ふたりを竜巻に乗せて空に返します。
賢治は自分のことは置いといて他の人の為になりたいと思っていた人です。
自分よりほかの人のことを考えてその気持ちがわかるようになるというのはとても難しい。自分の基準を超えて物事をみていくこと。
そういうことが出来るようになってくると考え方が神様の考え方に似てくるのだろうか?
そして物語を通して伝えることができるのか?
考えすぎなのだろうか?とも思いつつ、この話を読んでいて思いました。