コロナ以降、
手を繋ぐどころか、触ることも無くなった。

元々手を繋ぐ習慣は無く、
フラフラ歩く私が、
ご主人の手を繋いだのは
はじめてだった気がする。


子どもの頃、
寝る時は亡き母に
「手を繋いで」とせがむコトが多かった。
亡き母は面倒くさい様子で、
まだ幼い妹超えで、
手を繋いでくれた。
ある時、
「夜中に目覚めて繋いだ手か幽霊だったら…」
余計な想像で手を繋ぐのをやめた。
それ以降、
亡き母と手を繋いだ記憶が無い。


息子がヨチヨチ歩き始めた時、
手を繋いで歩いた。
交差点で信号を教えたり、
駅ホームの歩き方、
手を繋いで色々なルールを教えた。
遊びも多かった。
稲刈り後のかぶを踏み潰し歩いたり、
ヒメボタルを見るため
ウシガエルが鳴く闇夜を歩いたり…。
思い出は多いけど、
息子は覚えてないだろうなぁ。


すい臓がんになって、
抗がん剤副作用が強くて…。
病院は一人で行って、
先生との話も一人で聞いて…。
一人で決めて。
家族の負担が多くないように、
出来るだけ一人でこなしたい。

そんな矢先にご主人から差し出された手。
はじめは
「えっ!キッショー。それは無い!」
断然拒否モードだった。
でもフラフラ、ヨロヨロ歩く私に
再度手を差し伸べ、
手を繋いで歩くと…。
「頼って良いかなぁ」
「はじめて手を繋いだなぁ」
そんな風に考えてた。

二人ともいつまで生きれるか?
分からない。
せめて優しい気持ちは、
素直に受け止めないとね。


一回スキップしただけで、
スパルタ的に投与している、
アブラキサン+ゲムシタビン。
体力も気力も奪っていく。
寒くなると手先足先の痺れが増す。

それでも頑張ろう!
ニコニコ