5月ももう終わり

 5月。


すい臓がんとは違う戦いだった。

のど痛い、

食べれない、

飲めない、

喋れない。

「ご主人の風邪をひいた…」から始まった。


何度もお願いした。

咳が出る場合は家でもマスク。

私に近づかない。


結局、

38度以上の発熱でフラフラになり、

何度も倒れる状態。

近くの病院で受診すると、

コロナ陽性…。


熱は2日間続き、

飲めないのが一番辛かった。

一日2口か、3口コミの白湯しか飲めない。

咳き込んで飲めない。


もらった薬は葛根湯など粉薬。

もちろん飲めない。

1口飲めば咳で吹き出す。


飲み込めないから、

一週間以上、食べてない。


血尿が出て、血の塊も出た。

尿管ステントがとても心配だった。


涙ながらに訴えた。

「何度も警告した!

もしコロナに感染すれば、

重症化するリスクがあること!」


「すい臓がんで死んでも本望だけど、

コロナで死んだら死にきれない!」


ほとんど聞こえない声で泣いた。


加えて、この時期は重要な時期だった。

仕事に治療…。


同じ時期にコロナ感染した息子は、

自分の体調より私を心配した。

無言で血中酸素を測り、

側に加湿器を置いてくれた。


ご主人は「俺は風邪。犯人扱いするな」

発熱時期や感染力を考えると

ご主人、間違いなし!

犯人探しより重要なのは

「家庭内での感染予防方法」


有難い妹宅でコロナ感染があった時、

隔離と徹底した消毒。

誰一人と感染しなかった。


私宅では完全な隔離が難しそうなので、

何かあれば、

ホテルに逃げ込む方法を取ることした。


とても重要な時期のコロナ感染。

治療と仕事…。

全部を諦めないしか無い…。

そう思った。

生きてる意味も分からなくなった。

初めて、

「疲れた、死にたい」と泣いた。


そんな時に有難い妹が電話で、

楽しい話や、

やりたい夢を話してくれた。


5月ももう終わり。

辛い日々だったなぁ。



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