教習所で路上コースが必ず旦那の職場だった前の通りを走るんだけど、通る度に色々考えたり悲しくなったり、寂しくなったり、会いたくなったりと、よく分からない気持ちになる…


通りたくない道でもあるかなあ…


教習所でそんな事言えないし、検定コースだから避けて通れないし。


教習所で学科の時に応急救護中、ずっと『心臓マッサージしてたら旦那亡くならずにすんだの?意識なくて心臓だけ動いてた人は心臓マッサージ無意味だよ。』とか、ずっと思ってたし、まあ交通事故じゃないけどさ、何かたすけれる手段なかったのかなって。思ってしまう。


今日ヤフーニュースで見かけた記事なんか良かった。

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坂本:レミさんは探求心が旺盛ですよね。


平野:そうよ! レストランでおいしいものを食べると困っちゃうよね。例えば、ニンニク醤油なんかも、“何が入っているんだろう?”って思って、いろいろ試したものよ。和田さんが帰ってくると「これでいい?」「いや、ちょっと違うね」なんて言いながら、それでとうとう美味しいニンニク醤油が出来ちゃったりね。それが楽しくて楽しくて。


坂本:和田さんも同じくらい好奇心があったんですね。


平野:和田さんも食べることが大好きだったからね。美雨ちゃん、旦那さんを大事にね。(和田さんが)この世の中から煙になったようにいなくなっちゃって。あんなに好きで好きで、大好きな人がいなくなっちゃったんだから。もうこれはたまんなくて、会いたくて会いたくて、ますます好きになっちゃうんだけど。


会えないってのは、これは苦しいわよ。今まで和田さんの手のひらに乗って、自由に好きなことをやっていたのに、その手のひらがなくなっちゃったから、これからやっと一人前になるって感じ。ここからが私の本当の人生よ。大人になるきっかけだね。


坂本:家で食べるご飯って変わりましたか?


平野:そうね……ご飯はちゃんと食べてるわよ。おいしくできると「はい、和田さんもね」って言って、写真の口元に持っていくの。篠山紀信さんがいい写真を撮ってくれたから、その写真に向かって「お父さんも食べて」って。そうすると、心なしか笑っているみたいなの。


坂本:そうかぁ。声が聞こえるようですね。


平野:そうそう! お茶は毎日淹れて、一度も欠かしたことがないし。


坂本:ずっと喪失感を抱いていらっしゃるんですね。


平野:諦めたほうが楽なんだろうけど、諦めきれないっていうか。諦める薬があったらいいのにねぇ。いつになったらこういう気持ちが晴れるんだろう。でも知り合いに「寂しくてしょうがない。思い出はつかめないからいやだ。悲しい」って言ったら、「息子さんがいるじゃないですか」って言われたの。


たまたまその夜、うちの(和田)唱と、(唱の妻)上野樹里ちゃんが、私のことをご飯に呼んでくれたので、「思い出はつかめないからいやだ」って話をしたら、(樹里ちゃんが)「ほら、唱さんとレミさん、手を出して握手して!」って言って、握手をしたの。


(幼い頃は)小さいもみじのような息子の手が、しっかりした手になっちゃって。息子が、がっちりした手で私の手をぎゅっと握ってくれたの。そのときに「つかめるものがあった! 半分、和田さんだ!」って思ったらうれしくなって、心のつかえがすとーんと取れちゃったの。