10月15日 術後6日目

今日で退院出来るかも知れない‼︎

ワクワクしていた。

朝7時、血液検査と尿検査。

8時、朝食。



午前9時。

病室が変わるという。

またあの看護婦長さんっぽい方に言われる。

退院するかも知れないのに今から病室移動?

何だかわけが分からないけど、

病院の何かの事情なんでしょうね。

私は何もしなくて良いからいいですけど

おばあちゃんにも挨拶しなきゃ。

カーテンを開けて、おばあちゃんに挨拶。

『今から病室移動だって。お世話になりました。

夕方に退院出来るかも知れないのに‥』

おばあちゃんに

『行かないでー、寂しいー。』と言われながら

その病室とお別れ。



新しい病室は一般の病院と同じで、

ドアから見て左右に2つずつベットが並ぶ。



TVを見ていると、教授回診。

先週はシャワーを浴びていたので

教授回診は免れた。

教授とイケメン主治医がベットの足元に立ち、

その後ろには医師達が数名見えた。

イケメン主治医は教授に私の話をする。

専門用語や英語が混じっていて早口。

何を言っているかは、ほとんど理解できない。

私は緊張して、ただただ2人を見ていた。

イケメン主治医の説明が終わると、

教授の目尻が優しく下がり

『良かったですね、お大事に。』

と言われる。

私は

『ありがとうございます!』

と言うのが精一杯だった。

手術して、迅速病理検査も子宮内膜異形増殖症

で良かったね、と言うことかな?と

勝手に解釈した。



お昼前、またゆっくり過ごしていると

イケメン主治医がバタバタした感じで登場。

『今朝の血液検査で貧血が酷くなっていたので

今日は退院できなくなりました。

6.8まで下がってしまってるんですよ。』

私『えっ?退院できないんですね‥。』

『すみません、先に退院なんて言ってたから

期待持たせちゃいましたね‥。』

と謝られてしまった。

手術直後の血液検査よりも、

その日の血液検査の方が値が悪かった様だ。

手術後は7.4。

鉄剤も術後3日目位から飲んでいたんだけどな。

でも数日間の絶食に加え、

五分粥になるまでは

ほぼ食べてなかったしな‥。

手術後の説明で、術後の貧血に注意と

書かれていたのはこういう事か。

イケメン主治医は悪くない。

私の体が、退院出来るほど

回復出来なかったから仕方のない事だ。

逆に申し訳ないと思った。

病棟内を歩く時に気を付けて見ていると、

病棟は満床。

そう言えば、入院前に個室希望か聞かれた時に

大部屋で‥と伝えたら、看護師さんから

『助かります』と言われた事を思い出した。

入院患者のベット確保も大変なんだと思う。

噂によると、病室移動をお願いされた方で

階の違う、3階の産科病棟へ移動する方が

いると聞いた。

産科病棟は赤ちゃんもいるので

病棟内に籠りっきりで、病院内のコンビニにも

行ってはいけないという話だった。

それはキツい。

だから元気に回復して歩き回れている

私も早くに退院の話が出たのだろうな。

でも、私史上初のヘモグロビン6.8は

さすがに怖い数値だと思った。

基準値の約半分だもん。

病院にいるから何かあれば助けて貰えるけど。



午後から排泄性尿路造影検査という、

腎臓→尿管→膀胱の尿路確認の検査があった。

昼食抜きで検査を受ける。

午後1時過ぎに、検査室へ連れて行ってくれる

担当の看護師さんが30歳位の女性を連れて

私の病室へ呼びに来た。

その方も一緒に同じ検査を受ける。

病棟から出る時は、何となくスリッパは嫌で

入院時に履いてきたスニーカーに履き替える。

病棟を出て歩いていくとつまづいた。

スニーカーを見ると、

つま先と底のゴムが剥がれて口を開いてる。

おかしくて黙っていられなくて、

看護師さんに伝える。

その看護師さんは、私を笑わせる看護師さん。

笑った笑った。お腹を押さえて笑った。

もう1人の女性も笑ってた。

一気に和み、話が弾み始めると、

検査室に着いてしまった。

検査は1人ずつなので私は後に検査を受ける。

廊下で座って待機。

少しして看護師さんに呼ばれて、中へ入る。

女性とはそこでサヨナラで、

その後病棟で会うこともなかった。

排泄性尿路造影検査は、病棟看護師さんも

造影剤を入れてくれたり

検査のお手伝いをする様だ。

いつも1人で検査を受けていたけれど、

知っている看護師さんが側に居てくれて

(↑しかも面白い看護師さん)嬉しかった。

看護師さんと話しているうちに、

あっという間に検査は終了。

その場で検査結果

『問題なく、綺麗でしたよ』

と言って貰えた。

病棟へ帰ってくる時も、病棟看護師さんと

話しながら戻ってきた。

病院食について聞かれ、私は美味しいと答える。

その答えに驚かれた。

みんな美味しくないとか味が薄いとか

文句ばかり言われると、

栄養士の方が言っていたと聞く。

同室のおばあちゃん達も言っていた。

予算も調理方法も決まりがあるだろうし、

それで工夫して作ってくれるのだから

凄いと思うんだけどな。

もっと感謝して食べるべきよ。

※私の重湯〜三分粥までの事は言ってません笑



病室へ戻ると、

机の上に軽食(食パン2枚とマーガリン、牛乳)

が置いてあった。

午後2時半過ぎ位だったかな。

1枚だけ‥と思ったけれど、そのパン‼︎

甘くて美味しい‼︎

パンも1ヶ月半ぶり?

ご飯と共に、パンもパスタもラーメンも

絶っていたから。

‥全部食べちゃった。

夕飯は食べられないかも‥

なんて心配をよそに、しっかりお腹が空く。



夕食。


食べたばかりなのに、全部食べられそう。

泣く泣く、ご飯は半分残した。



夜、消灯時間。

今夜は眠れるかな‥と思ったら

お隣のマダム‥イビキ‼︎半端ない‼︎

初日に同室でイビキの凄かった人、この人かな?

いやー、本当、凄いのよ。

容赦ないのよ。

せめて

こっち向くなっつーの‼︎

周りが迷惑だから、イビキの酷い方は

個室を選択して欲しい‥。

ドリフみたいに、上から口の中に

水を垂らしてガラガラさせちゃいたい衝動が‥。

頭の中でだけで我慢、我慢‼︎

久々に看護師さんに眠剤貰った。

でも、眠れるわけがない。

つくづく、同室の方に恵まれなかったな。

これだけイビキが凄いって、自覚ないのかな。

看護師さんに自分の娘さんの話をしていた。

家族がいるならイビキの凄さ、

言われてるよね?

私、ボイスメモで録音した。

帰ってきてからのネタにするのよ。

どんだけ凄かったか、共感して貰う為に。

今、聞いても笑っちゃう。

思い出、思い出。