ちいちゃん


おねぇさ、

少しずつだけどね?

ちいちゃんが旅立ってから

悲しみが薄れていっている気分に

なっていたんだよ。


…だけどね、年末にさ、

まぁちゃんやふぅが帰って来たでしょ?

Mさんも帰って来てくれたでしょ?

ちいちゃんの話をしたのね。

そしたらさ、ちいちゃんに

たまらなく凄ーく逢いたくなっちゃったよ。


まぁちゃんなんてさ、

去年のお盆が終わって帰るときにさ、

ちいちゃんの具合が悪いの知っていたから

おねぇの膝の上で寝ているちいちゃんに

『ちいちゃん、冬休みまで頑張って生きるんだよ』

って言ったら、ちいちゃんは

『にゃー』

って答えたって言ってたよね。

おねぇさ、忘れてたよね。

聞いていたのにね。

いつもは名前呼んでもお返事なしなんだよね。

ちいちゃんはその時…分かってたのかな。



猫は人間の4倍の速さで歳を取る、か…。

ちいちゃんにとっては1年頑張った事になるよね。


おねぇさ、

年明けに熱が出たのね。

39度7分も出て、ご飯もお水も飲みたくなくて

横になっていても辛かった。

それが終わるとね

お腹が痛かったの。

おねぇさ、

お腹が痛いくらいで

『痛い!!イーターイー!!』

とか言っちゃってるの、聞こえてた?

ちいちゃんはもっともっと

長い期間、一人で声も殺して我慢して

一生懸命生きたのになぁ~…。

楽になった後、心から恥ずかしくなっちゃったんだ。


ちいちゃんは随分長い間…苦しかったなぁ。

頑張ったなぁ。

毎日、心から尊敬していたんだよ。

そりゃ、我が家の妹分も一目置くよね♪



おねぇさ、いつもいつも

家の子は家に来て、幸せだったって思わせる!!

って事ばかり考えていたよ。

だからね、いつも最優先に考えてたよ。

だから後悔なんてほとんどないんだ。

何度言っても足りないけど、

ちいちゃんは本当に親孝行だったね。

長生きしてくれてお利口さんで

とーっても自慢の子で言葉では到底

表現できないんだけどさ、

最期まで頑張ってくれたよね。

…あんな…あんなさ、

酷い病気に侵されながらさ

小さな体でさ。

高齢なのにさ。

それなのに歩けるうちは

おねぇにピッタリ寄り添ってくれてさ。


…きっと、きっとね、

おねぇがここまで哀しいのは

どうしてもたった1つだけ、

引っ掛かる事があるからかな。

もうすぐ命の炎が消えてしまう事を

頭の片隅で分かっていて。

本当は時間の許す限り

抱き締めて抱き締めて

スッポリと包んであげたかった。

私がちいちゃんの酸素室になりたかった。

それなのにナデナデしかできなかった。

目の前にいるのに酸素室から出して

抱き締められなかった。

きっとそれが

最大級のおねぇの勝手な心残り。


…分かってるけど、限られた時間だからこそ

感じたかった。

心行くまでこの手で。

いつものお決まりダッコしたりさ、

肉きゅうぷにゅぷにゅしたりさ、

ヒゲ引っ張ってアクビさせたり…さ。

いつもの様に。



約1年前に愛犬を亡くしたMさんに言われた。

『まだ1ヶ月しか経ってないじゃん!!まだまだ!!』

…救われたの。

ファミレスで話している間も

泣いてばかりいて。

…世の中では

『まだ引きずってんの?』

なんて言われそうだけど、

まだ1ヶ月しか経ってないじゃん!!

まだまだ時間が必要だよ!!

って言われて、本当に心が軽くなったの。


もう1つね、Mさんに言われた事があってね。

動物病院の先生に

『最期の時に、猫は飼い主の帰りを待っていない』

という話をされたと言ったらさ、

『待っていたんだよ!!

待っていたけど、身体が力尽きてしまったの!!』

って教えられたの。

ちいちゃん、そうなのかい?

その前の日、病院から帰ってきて

確かに見上げたその目は

おねぇに限界を伝えていたの?

…その言葉も素直に受け止めた。


ちいちゃん

おねぇのお願い、一生懸命叶えてくれようとして

本当にありがとう。



親戚や友達と会う機会が多々あって、

沢山話をしたからかどうなのか、

フラッシュバック的な物なのか、

熱が出る前日に無性に悲しくて泣いてたんだよね。

昔も1度あったんだ。

原因不明の高熱でダウンした事が。

風邪でもインフルエンザでもなく胃腸炎でもなし。

きっと

自分で言うのもなんだけどさ、

ちいちゃんへの想いの強さ…なのかな。

もう一度

抱き締めたいなぁ。